
七尾旅人
『どんどん季節は流れて』
七尾旅人の新アルバム『billion voices』がすごい。
七尾旅人の歌声と楽曲が見事に溶け合って、
とても大きな円になっている。
溶け合いすぎて、七尾旅人の声が
命ならぬもののようで怖いくらいだ。
とてもパーソナルな歌声なのに
祝詞のような神聖を感じる瞬間がある。
村上春樹がエッセイか何かで、
ぼくが高校生だったら『OK コンピューター』を
きっと一日中聴いていただろうとレディオヘッドを語っていた。
それはなかなか素敵な評価だと思う。
もしぼくが高校生だったら
『billion voices』を一日中聴いているだろう。
幾度となく夜と昼を繰り返す世界。
生まれてはまた生まれていく命。
昼と夜をともなって回り続けるぼくたちの日々。
闇の中でまたたく刹那の光を、命を得て、
昼と夜が回り続ける日々に七尾旅人は帰還したのではないかとぼくは思うのだ。
何はともあれ、今年の夏は
このアルバムがぼくの記憶になるんだろう。
ああ、今日が仕事じゃなかったら一日中聴いているのに。
