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「漫画100」改め、大人になれば 稲田英資

大人になれば - 日記

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自分は何者であるのか。

   更新日:2010.10.18

十代から続く「自分は何者であるのか」という問いは、 いつしか「自分は何者になれるのか」という問いに変わった。

答えは何も見いだせないという点は何も変わらない。

そんな自分を尻目にぐんぐん成長する我が子を見ると、
喜ばしくも焦る気持ちもある。

果たして彼らが物心つくまでに、ぼくは間に合うのか?
ぼくが思う「何者」とは何なのか?

日々の中にしか答えはないということは知っているのに
そんなことを一人思っている。

明日は長女が小学校に入って初めての遠足。
10キロ歩くんだと今から緊張していた。

どうか晴れますように。




この世の良いもの全てを

   更新日:2010.10.12

最近、本屋などでトラック型のクレープ屋さんを
よく見かけませんか?

そうそう、あれです。
ちょっとお洒落な感じのトラックで
クレープやソフトクリームを移動販売しているあんなトラック。

そこでちょっと若い夫婦と女の子の家族が買い物をしていました。
もう秋の夕暮れなのできっとソフトクリームじゃなくて、クレープ。

若い夫婦は十代のころ少しやんちゃだったのかなって
感じの二人。
きっと近所に住んでいて、
髪の染めがまだらに伸びているお父さんはジャージを着ていて、
たぶん二人とも二十代前半で。
そう、どこにでもいる若い夫婦です。

本を買って自分の車に帰ろうと歩いていると、
見るともなくそんな夫婦が目に入ってきました。
ああ、もう秋だからクレープが欲しくなる季節なんだなぁって。

注文を受け、トラックの上でクレープが作られ始めたら、
お父さんが二歳くらいの女の子を高く持ち上げて、
トラック内のキッチンがよく見えるようにして買い物を続けていました。

娘がよく見えるように自分の頭より高く娘の体を掲げるくらい。
そんなに持ち上げていたら腕が疲れちゃうよって思うくらい。

どこにでもある景色なのに
なんだか感じ入りました。

「ああ、親ってこの世の良いもの全てを子どもに見せたいと思うものなんだな」と。

ただのよくあるクレープ屋だけど。
でも、ぼくもきっとそうする。


この世界を生きていくために必要な。

   更新日:2010.10.09

『けいちゃん』
曽我部恵一
くわしくはこちら

今日は土曜日だけど出勤。

曽我部恵一の弾き語り最新ソロアルバム
『けいちゃん』(けっこう好き)を聴きながら、
車を信号で止めると、
隣りの車で四十代くらいの女性が
ハンドルを握って前を観ながら、大きな口を開けて歌っていた。

もちろん窓も閉まっているし、
音楽も歌声も聴こえないのだけど、
なんだか愛おしかった。

ぼくたちは音楽にいつも救われている。
うれしいときも悲しいときも、何でもないときも。

この世界を生きていくために必要な
ほんの少しの勇気と一緒に。



注目のブログ、『気がつけば82歳』
8月4日の日記にのけぞりかえる。

   更新日:2010.08.05

『気がつけば82歳』
8月4日の日記

個人的に注目のブログ、『気がつけば82歳』
8月4日の日記にのけぞりかえった。

敗戦を迎えた昭和二十年八月に19歳だった筆者が
綴っていた日記を紹介しているのだが、
そのフラットな感覚に驚く。

19歳ならではのセンチメンタルさ、自己憐憫さは
いまのぼくたちと何も変わらない。

そして、以前誰かが述べた
「こんな時世でも日本はキャンプしたり、
ご飯食べてるから平和だ」
みたいなコメントに違和感を抱いたことを思い出した。

いかに悲惨な戦争下においても青春はあるし、
日々の営みはある。

ぼくたちはTVや新聞で世界の戦争被害を知るとき、
無意識に情報の向こうの彼ら彼女を
「戦争中の人」と見る傾向があるが、
彼らだってくだらない冗談で笑い転げるし、片想いに悩むし、
日常のなかで楽しみを見つけようとするし、溶けるような夜を過ごすのだ。

「戦争中の人はずっと悲惨な顔をしている・楽しまない」というイメージは想像の放棄だし、
戦争側・非戦争側の線引きだと思う。

ぼくらと同じように笑ったり恋したり、日常を楽しもうとしている人たちがいて、
そこに戦争があることを忘れてはいけない。

そんなことを『気がつけば82歳』で思い出しました。



『気がつけば82歳』
8月4日の日記

ドキドキが止まらない本。

   更新日:2010.07.26

夏ですね。

夏といえば文庫フェア。
個人的にはこういう明確な趣旨のないフェアはきらいですが、
下記のweb記事がおもしろかったです。

『3人のおじさん書店員が独断で決める2010年夏の文庫フェアベスト10』
http://www.webdoku.jp/newshz/zasshi/2010/07/26/110334.html

もし、高校生や大学生に夏休みにおすすめの本を挙げよといわれたら
(誰も言ってくれないけど)、こんな感じになります。

『しゃべれども、しゃべれども』 佐藤多佳子/新潮文庫
『博士の愛した数式』 小川洋子/新潮社
『ぼくが電話をかけている場所』 レイモンド・カーヴァー (村上春樹訳)/中央公論新社
『六の宮の姫君』 北村 薫/東京創元社
『青春デンデケデケデケ』 芦原すなお/河出文庫
『さくら』 西加奈子/小学館
『東京タワー』 リリー・フランキー/扶桑社
『翻訳夜話』 村上春樹・柴田元幸/文春文庫
『翻訳教室』 柴田元幸/新書館

ほとんどエンタテイメントですね。
でも、どれも心ふるえる良い本でした。

漫画は多すぎるので少しだけ。

『彼は花園で夢を見る』 よしながふみ/新書館
『プラネテス』 幸村誠/講談社モーニングKC
『皇国の守護者』 伊藤 悠/集英社ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ
『花よりも花の如く』 成田美名子/白泉社花とゆめCOMICS

中でも『翻訳教室』 は夏休みにたっぷり時間がある学生におすすめです。

東大大学院教授であり、翻訳家である柴田さんが
学生と実施した翻訳演習の講義内容を本で読めるという素晴らしい企画。
ヘミングウェイの『われらの時代に』の一節を学生が訳してきて、
それを授業で検討したりします。
授業で扱われている英文テキストが一部載っているので、
「自分ならどう訳すか」と考える喜びもあります。

ぼくは読んでいる間、ドキドキが止まりませんでした。
英米文学を専攻する・したい学生だったら
ぼくの100倍くらい「ああ!」って思うんじゃないかって思います。

大人になったぼくは今、
読まれないまま積んでいく本の量が冗談ではすまなくなってきて、
「ああ!」って毎夜思っていますが。



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