ぼくは声を大にして言いたいです。 お客さんのワクワクや楽しそうな声を放置しないでください(Twitter活用)

Webサイトを制作させていただいたある観光協会様からWeb広告運用のご相談をいただきました。

早速ですが、当協会のサイトでYahoo、Googleのリスティング広告を以前から少し行っておりますが、次年度はそれに予算をもっと割いてみようかと相談しています。

顧客の問題をまとめると、

  • 今まではスタッフで運用してきたけれど
  • キーワードや入札価格決定など、頻繁なチェックが必要であり
  • 自分たちでやるには限界
  • もしくは、リスティングよりもオススメがあったら教えてください…

とのこと。

 

Web広告はとても重要です。
成果を出すためにWeb広告とWebの連動は無視できなく、「Web広告をどうやってビジネスに活用するか」は再注目されています。

JBNでも「Web広告を提案・運用できるようにしよう」という流れが生まれています。
それを受け、『運用サポートユニット』という部署が誕生しました。

Web広告の運用については該当ユニットの記事を待つとして、ぼくが反応したのは「もしくは、リスティングよりもオススメがあったら教えてください…」のご相談でした。

ここまでが前段で、ここからが本題です。(長い!)

以下はメールでお返事した内容のリライトです。

「Twitterやらなきゃと思っているけど…」とお悩みのWeb担当者の方はぜひお読みください。

 

Web広告と同レベルで、Twitter活用は欠かせない

「こっちがいいですよ」ということではありませんが、Web広告と同レベルの施策として、Twitter活用は欠かせないと思っています。(余力があればInstagramも)

現在、UGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ:ユーザーの投稿)が見直されているのですが、
これはつまり、製品やサービスについて好意的に投稿している記事を有効活用しようという流れです。


企業のWeb活用においては、Webサイトを作っただけでは成果が見込めない可能性があります。

Webへの流入経路を整備し
それぞれにマッチングするユーザーに
Webに訪れてもらうという考え方が大切です。

Webサイトの流入経路の例

1)自然検索 指名検索、関連キーワード、事例紹介、そこにしかないサービスなど

2)Web広告 プッシュ型で気づいてもらう、思い出してもらう、興味をひく

3)SNS(Twitter、Instagram) そもそも製品やサービスを愛好している人を可視化する

 

UGC(ユーザーの投稿)の活用は上記の(3)に該当します。

上記の(1)はWebサイトそのもので、
「もっと集客に力を入れよう」とWeb広告にトライすることは有効な考え方です。

しかし、SNSについては手付かずのままという企業も少なくありません。

企業のSNS活用はWeb広告と同レベルで大切な施策になり得ます。

むしろ、「Web広告とSNS活用の併用」が企業にとって重要だとぼくは考えています。

特に、製品やサービスでユーザーに直接リーチできるBtoC企業はとても重要と考えています。

なぜなら、

  • BtocのUGCは
  • 商品・サービス名や店舗・観光地名が直接書かれていることが多く
  • それを見た別のユーザーから「指名検索」が生まれ
  • (1)のWebサイトへの流入経路を生んでくれるから

です。

 

お客さんの声を放置しない。自社についてのツイートを探し、リアクションする

いま、Twitterで「◯◯高原」を検索すると、そこそこの方が◯◯高原について記事を上げてくれているのですが、現状は放置している状態です。

まずは◯◯高原観光協会のTwitter公式アカウントをつくり、彼らの投稿に、いいね、RT、お礼のコメントでコニュニケーションを取ることから始めるのをおすすめします。

ご相談いただいた◯◯高原観光協会様でいえば、下記のような運用になります。

  1. Twitterで
  2. ◯◯高原について
  3. 好意的にツイートしている記事を探し
  4. ◯◯高原公式アカウントで
  5. いいね、RT、コメントなどでコミュニケーションを取る


関連組織やイベントなどの公式アカウントとも積極的につながる

また、組織的に仲間である「△△観光局」さんはすでにアカウントをお持ちなので、積極的にTwitter上でやりとりすることをおすすめします。
(フォロワー5000人いるので、彼らに◯◯高原のアカウントを知ってもらうのは初期に有効です)

他にも、イベントの際にはUGCが増加します。
特に参加者の方は、実際に◯◯高原に来てくれた方々ですので、リアクションをおすすめします。

例えば、先日開催された自転車イベント。
イベントのTwitterアカウントにはその属性のフォロワーがいます。
開催するイベントでは公式アカウントと積極的にコミュニケーションすることをおすすめします。

*下記のようなイメージです

  1. 公式アカウントのツイートに◯◯高原のアカウントでリアクションすることで
  2. 自転車ユーザーに「◯◯高原」という切り口を再度伝えることができる

  3. それで、もし、彼らがアカウントをフォローしてくれると
  4. Twitter上でユーザーとつながりが保てるようになる

  5. すると、今後の◯◯高原で自転車にかかわるイベントや取り組みがあるときに
  6. 興味度の高い人に伝えることができ
  7. 彼らから周りの自転車ユーザーに波及することを期待できる

取り組むことはシンプルに3つ

長々と書きましたが、取り組むことはシンプルに下記の3点です。

  1. ◯◯高原観光協会のTwitter公式アカウントを立ち上げる
  2. ◯◯高原について投稿してくれている記事を探し、RT、いいね、コメントなどのリアクションをする
  3. △△観光局、自転車イベントなど、◯◯高原と親和性が高い公式アカウントと積極的にコミュニケーションする

始めることを怯まない

「観光 Twitter活用」等で検索すると、やれ、ビッグデータ活用だ、やれ、インバウンドマーケティングだと大きなことばかり書かれていて、気後れして「わかっているけど、始められない…」気分が加速するばかりです。
ほんと、ああいう記事は現場担当の方にとって…まったくもう…
実務者の足を止めてどうするんだと思います。
 
そんなことは気にせずに、
Twitterで「◯◯高原いこうかなー」と呟いている人に、
「もうウェウカムですよ。今日の◯◯高原はこんな感じですよ」とお返事するだけで全然OKです。
目の前に呟いている人がいたら、「おいでよ!」というのと同じで。
 
例えば、今検索したらこんなツイートの人がいたのですが、
今シーズンスキー予定。
AAA 00枚
BBB 00枚
CCC 00枚
◯◯高原 シーズンパスポート
もう速攻で、「ありがとうございます。お待ちしてます」ですよね。

しかも、◯◯高原様の場合は、これからのシーズン、こういうツイートがどんどん出てきそうで超うらやましいです…
だからBtoCは羨ましい…

Web広告は「見知らぬ人」に気づいてもらうツールですが、
Twitterは「今、◯◯高原につながっている人」にお礼をいって繋がるツールとまずは考えてもらっていいと思います。

「何を発信するか?」とかについてはその後でぜんぜんよくて。
まずは今のお客さんにお礼をいいましょう。

そしたら、先方だって◯◯高原により深い親しみや好感をもってくれるかもしれません。
その積み重ねで運用初期はぜんぜんいいと思います。

TwitterはWeb広告とはまたちがう施策ですが、
Web広告と同レベルで試す価値のあるアクションです。
(費用もかかりませんし)

ご検討いただけましたら幸いです。

*  *  *  *  *  *

以下は蛇足ですが、
「地方の中小企業のTwitter活用」について
関連の記事をお送りいたします。
よかったらお時間あるときにお目通しください。

まず一つ目が、
十日町の小さなそばメーカーの公式Twitter担当者さんを私が取材したインタビュー記事です。
 『インタビュー 「より多くの人に商品を知ってもらうために。『地方企業×Twitter×マーケティング』のポテンシャル」 株式会社玉垣製麺所 公式Twitter 中の人』

二つ目が、
上記の取材をして、自分なりのまとめとして書いたJBNブログです。
企業Web担当者からときおり受ける「Twitter、やった方がいいですよね…?」という相談に、これからどう答えるかのヒントを得た話。

この取材を通して、

  1. 地方の中小企業が公式Twitterを活用し
  2. 自社商品やサービスにマッチングする方に「気づき」を届け
  3. ファンの方とのコミュニケーションで自社商品の価値を可視化する仕事を
  4. 試行錯誤しながらも自力で形にしている

という状況を知りました。

しかも、 #新潟Twitter会 などの全国的な動きが芽生え始めている状況で、長野県企業も本気で取り組む価値がある…と思っています。
(長野県はたぶんこの動きは生まれていないと思います)

特に、◯◯高原さんのような観光(BtoC)はTwitter上でのユーザーのツイート(UGC)が生まれやすいですよね。
Twitterで「◯◯」「◯◯高原」で検索したら、好意的なツイートがやっぱり沢山あります。
(JBNはBtoBなので、UGCが生まれず苦労しています…)

UGCを生むためには、
「自社の製品・サービスが価値があること」
それを伝える努力・活動をしていること」が
大前提になるわけですが、

◯◯高原はまさしくそれがあり、日常的にUGCが生まれています。

ただ、惜しむらくは御社がTwitter運用をしていないことです。

今は、大小ある「◯◯高原きた」「◯◯高原きれい」「◯◯高原いく」というお客さんの声をそのままスルーしている。

ぼくは声を大にして言いたいです。

お客さんのワクワクや楽しそうな声を放置しないでください。

お風呂でいえば、水は出ているのに、栓をしていないから、何も貯まらない状況です。
「自転車イベントの開催」なんて、そこそこ大きな水なのに…
とてももったいないです。

だから、製品・サービスに価値があるBtoCの事業こそ、
SNS活用では「何を発信するか?」から悩むのではなく、
満足したお客さんが投稿してくれたら、
「ちゃんと発見し、ちゃんとお礼をいう」ということから始めるべきだと思います。

それならそんなに難しくないし、
商売として基本的なことだし、
始めやすいですよね。
まずはそこからのスタートをぜひおすすめします。

その点で、JBNのようなBtoBはなかなかそういうわけにはいかず、羨ましいです。
ですので、稲田個人のTwitterアカウントを積極的に使うようにしています。
(BtoBでは企業より社員個人のアカウント運用が有効と言われています)

とはいえ、「企業のTwitter活用を学ばねば、お客様にも勧められぬ…」と
JBNアカウントの運用を活性化しはじめた次第です。
https://twitter.com/jbn_jbn

◯◯高原さんも公式アカウントをぜひ。
そしてJBNアカウントでいろいろお喋りしましょうー。

 

執筆者

稲田 英資

稲田 英資

セミナー・講座で学ぶ「成果」のためのWeb戦略プログラム『SBW』の企画・運営を担当。また、「経営課題としての採用活動」をテーマに取り組み、採用面でのインターネット活用を学び、提案・講座に活かしています。

過去の講師歴
●SBW 『大手採用メディアに依存しない採用サイトのつくり方Vol.1、Vol.2』
●出前講座 『大手メディアに依存しないインターネットを使った採用活動』(福祉団体主催の長野県福祉人材確保・定着支援セミナー)

個人的な活動
長野市ライブハウス『ネオンホール』Webサイトへの連載
『大人になれば』
「働くって何だろう?」をテーマにいろいろ考えたり、話を聞きにいったりするWebマガジン
『働くって何だろう研究所』

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