JBN創立20周年を記念したセミナーが、 講師として(株)キノトロープの生田昌弘社長をお招きして2022年9月2日に開催されました。
タイトルはなんと「JBNに喝!!」。当社を叱咤激励しつつ、これからのWeb活用についてお話をいただきました。
Webサイトは訪れるユーザーの「目的」を果たすツール
ユーザーは必ず何らかの目的を持ってWebサイトを訪問しています。
そのため、webサイトを訪れたユーザーに対して、来訪した目的を果たすことができるwebサイトであることが重要だ、ということからセミナーはスタートしました。
生田さんによれば、インターネットの役割は「ユーザーの問題解決ツール」であるべき、ということです。
つまり、企業側が伝えたい情報を掲載するのではなく、ユーザーの知りたい情報に答えることが使命だということです。
ユーザーの問題を解決することこそが、企業の「ブランド価値向上」につながる
さらに、企業におけるwebサイトの目的はユーザーへのサービスを向上させることであるとのお話がありました。
ユーザーは自分自身の問題解決を求めてwebサイトを訪れます。そこで求めている情報を提供し、問題を解決することができれば、ユーザーの満足体験につながります。
その満足体験を繰り返し提供することによって、ユーザーと企業の信頼関係が深まっていきます。
それがWebにおける、企業のブランド価値です。
ユーザーに欲しいもの、知りたいことだけ、「素早く」「正確に」知らせるためには
従来のwebサイト構造では、ページがたくさんあるほど、ワンクリックごとにユーザーがサイトを離脱してしまうという傾向にありました。
さらに、現代のユーザーはスマートフォンを筆頭に、さまざまなデバイスでwebサイトを閲覧しています。
つまり、これからのwebサイトに求められるのは、全てのページが入り口になりうる構造(マルチエントランス構造)であること、さらにどんなデバイスでアクセスしても適切な表示と適切な情報を提供できる(マルチデバイス構造)ことが必要だと生田さんは力説します。
CMSはユーザーにより良いサービス提供をするために必須のツール
そして、そのマルチデバイス対応を実現するため、CMSは単なるWebサイト更新ツールではなく、ユーザーに提供すべき情報を一元的にコントロールするためのツールであるべき、と生田さんは話します。
CMSはマルチデバイス対応を実現することができるツールです。つまり、ユーザーの答えになるページを作って提供するために、コンテンツ情報をシステムで一元管理することで、ユーザーごとに必要なページを自動的に生成することができます。
情報を「探しやすいサイト」から「探す必要がない」Webサイトへ
さらに、今後向かうべきは、ユーザーが情報を「探す必要がないWebサイト」であると生田さんは続けます。
これまでは、カテゴリーを整理することでユーザー自身が情報を探しやすいように設計された「カタログ型」のWebサイトが主流でした。
しかし、これからはユーザー自身で探す必要がなく、企業側から最適な情報を提供する「提案型」のwebサイトを目指すべきだということです。
そのためには、ユーザーの属性からユーザーごとに最適な情報を提供することであり、また、ユーザーの行動履歴に応じて情報を最適化する必要があるとのことでした。
ユーザーニーズを知り、コンテンツでユーザーの問題解決を促す
ユーザーごとに最適化された情報提供をするために、個々のユーザーニーズに対応するコンテンツを作成する必要があり、コンテンツそのものが問われる時代になりました。
ユーザーのニーズを知るためには、インターネット上のニーズを知ることが大切です。
Googleの検索エンジンには、ユーザーのニーズを明確に表す検索結果が表示される仕組みになっています。
インターネット上のニーズを知ることで、ユーザーの問題解決ツールとなるコンテンツを作成することにつながります。
どんなにインターネットが変化しても、企業がやらなければならないことは、ユーザーのニーズを知り、自社のソリューションで対応できるコンテンツを作成し、ユーザーに届け、満足体験を提供することに変わりはありません。
スマートフォンの登場がライフスタイルを変えた
スマートフォンの登場・普及により、事前に予定を立てなくても、その場で行動できるようになったりと、ユーザーのライフスタイルそのものが変化しました。
ユーザーのライフスタイルの変化に対応して、インターネットに求められるサービスやコンテンツも変化しています。
これからは、ユーザーのライフスタイルをしっかりと理解し、それに対応するコンテンツを作成する必要があるとのことでした。
Z世代のコミュニケーションの変化
さらに、ユーザーとの接点の変化を象徴する例として、Z世代と呼ばれる25歳以下の人たちとのコミュニケーションについても紹介がありました。
Z世代はもはやwebサイトを見ておらず、Twitterやゲーム配信で使用されているDiscordを通じてコミュニケーションをとっているそうです。
私たちも、Z世代の動きに注目し、対応していくことも必要になりそうです。
今回の具体例を交えたお話は、改めて「Webサイトとはユーザーの問題解決ツール」であるという原点に立ち返ることのできたセミナーとなりました。
会場のみなさんにとっても、これからのWeb活用のヒントになったことは間違いありません。
生田 昌弘 氏
株式会社キノトロープ 代表取締役
1959年岡山県出身。
1985年に生田写真事務所を設立し、カメラマンとして活動を開始する。1993年にキノトロープを設立。1995年からはWebサイト構築で数多くの実績を残し、特に大型CMS導入に関しては、経験のあるツールの種類、業種内容、規模など日本一の経験を誇る。
プロデューサーとしては一貫した方針で数々のWebソリューションを築き上げ、現在もネットエバンジェリストとして布教活動を実践中。
現在「KINOTROPE gaming」というeスポーツのチームを設立し、運営する取り組みを始めた。