地方の中小企業は「社会」とどう関わっていくのか。

新卒採用アナリスト/コンサルタントの谷出直正さんが『カゴメ』の不合格者学生への対応についてFacebookで紹介されていました。
内容の端的なまとめと合わせ、谷出さん所感の【1】【2】【3】が大変納得でした。
以下、谷出さん記事の引用です。

最近、就活・新卒採用で話題になっているのが、『カゴメ』の取り組み。
●カゴメがエントリーシート提出をした学生(不合格者)にお礼の手紙と自社商品を送っている。
●この内容を学生がTwitterに投稿したところ、8万回以上リツイートされている。記事も多数UPされている。下記参照。
●カゴメは、企業理念にもある『感謝』を具現化したものと回答している。実は、10年以上前から行っている。

【記事】
●シャープ公式も「尊敬してる」 カゴメ「神対応」生んだ創業者以来の企業理念
●カゴメが就活生に贈り物をするたった1つの理由
●これぞ商売人の鑑! カゴメの就活生への対応が話題に 担当者に聞く

ここから企業の採用活動について考えることがいくつかあります。

【1】
「短期的なかかわり → 中長期的なかかわり。」
・採用するだけなのか、採用活動を通じてファンになり、今後も消費者となってもらうのか。内定を出す学生よりも圧倒的に不合格になる学生の方が多い。不合格者へのフォローは大事になってくる。

【2】
「広告 → 口コミ、紹介 による企業認知。」
・広告よりも親友や友人、家族などからの紹介の方がポジティブに、信頼ある情報として捉える。そのルートで企業情報を知ってくれることは、採用場面で優位に働く。

【3】
「企業名 → 理念や価値観 を伝える。」
・理念を具現化し、行動することでわかりやすく、他社差別化につながる。採用時は企業の理念・価値観とのマッチングも重要になってくる。理解できるように伝えることが大事。

などなど、他にもいくつも考えるポイントがあります。
このように、これまでの採用活動の捉え方、考え方を変えることで成果につながることが沢山あります。20年卒、そして採用スケジュールの変更が検討されてる21年卒の採用活動を、本質的なことから考えていきたいと思います。

 

ビジネスフェイズ以外の「関わり」に企業が対応していくことの重要性はすでに語られ始めていますが、「地方の中小企業はどのように実現できるのだろうか」ということが個人的にとても興味深いテーマです。

上記のカゴメと比べ、エントリー数も市場規模がちがうのが地方中小企業の特徴です。
では、何もしないでよいのか。
そういうわけにはいきません。
大手メーカー、大手企業が様々なフェイズで「社会との関わり」を本気で進めようとするならば、地方中小企業はその差が開く一方です。

では、その差を埋める努力を地方中小企業すべきでしょうか。
おそらく、それは合理的ではありません。

地方中小企業が取り組まなければいけないのは、大企業との差を縮めるではなく、まったく別のフィールドでまったく別の価値を立ち上げることのはずです。
それはもしかしたら下記のような対比で考えることができるかもしれません。

大手メーカー・大手企業 全国規模の「社会との関わり」
地方中小企業 とことん地元に特化した「社会との関わり」

あるいは下記のようにも。

大手メーカー・大手企業 顔の見えない人々の口コミ、紹介
地方中小企業 顔が見える地元の人・親・子どもの口コミ、紹介

いずれにしても、
「地方」で「中小規模」であるという現実を、
「弱み」ではなく、
具体的な特徴として捉え、
どのように表現していくのか。
どのようにその表現を届けていくのか。

●自社ならではの企業価値を高めること
●価値の「届き方」を創造すること

それは今後の地方企業の大きな命題であり、採用活動においても重要な取り組みです。
人材獲得を採用担当者さんの孤軍奮闘に納めてしまうのではなく、企業全体の取り組みにシフトチェンジする必要があります。

「人手不足が深刻化しているので、採用のインターネット活用を社内セミナーしてほしい」
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執筆者

稲田 英資

稲田 英資

セミナー・講座で学ぶ「成果」のためのWeb戦略プログラム『SBW』の企画・運営を担当。また、「経営課題としての採用活動」をテーマに取り組み、採用面でのインターネット活用を学び、提案・講座に活かしています。

過去の講師歴
●SBW 『大手採用メディアに依存しない採用サイトのつくり方Vol.1、Vol.2』
●出前講座 『大手メディアに依存しないインターネットを使った採用活動』(福祉団体主催の長野県福祉人材確保・定着支援セミナー)

個人的な活動
長野市ライブハウス『ネオンホール』Webサイトへの連載
『大人になれば』
「働くって何だろう?」をテーマにいろいろ考えたり、話を聞きにいったりするWebマガジン
『働くって何だろう研究所』

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