2018年は採用サイトの役割がより重要に。

企業の採用活動において「とにかく学生が集まらない」とご相談されることが予想以上に増えました。
かつてはリクナビ・マイナビに代表される就職ナビに掲載していれば学生が集まった時代が終わり、募集フェイズの多様化が加速していることが要因のひとつです。
学生と企業の接点(募集フェイズ)はこの数年で以下のように多様化しつつあります。


〇通年採用
1年を通していつでも必要に応じて社員を採用する仕組み。
2018年卒の採用方法・形態の実施予定で「通年採用」は22.1%。また、ソフトバンク、ネスレ、ユニクロなど、すでに大手企業が実施しており、今後の増加傾向および定着が予測される。
(大手企業の一例:ソフトバンク、ネスレ、ユニクロ、ユニリーバ、楽天、ヤフー、星野リゾート、DeNA、ソニー、サイボウズ、三幸製菓など)
参考記事:『通年採用』(日本の人事部)


〇リファラル採用
紹介・推薦を指す「リファラル(referral)」。社員を通して知人・友人の紹介・推薦を得る手法。
従来の採用方法と比べコストが抑えられると同時に、質の高い人材を確保できるという採用方法として注目されている。
また、海外では一般的な採用手法として根付いており、米国企業の約85%がリファラル制度を導入している調査結果もある。
ただし、うまく機能させるための社内の制度設計および社員が使いやすいツール開発が重要。
参考記事:『リファラル採用』(BizHint HR)


〇逆求人型採用
従来の就活ナビとは逆に、学生が「逆求人型就活サイト」などに自己アピールを掲載し、企業側がアプローチする手法。
「やりたいことができるか」「スキルを活かせるか」の視点で企業を探している意欲的な学生と、中小企業やベンチャー企業とのマッチングに適している手法と目され、今後の拡大・定着が注目される。
(逆求人サイト大手の「Offer Box」では18年卒登録者65,000名超、就活生の7人に1人の割合となる。また、同サイトにおける導入企業数は現在約3000社)
参考記事:『いま"逆求人型"の就活が必要とされるワケ』(ITmedia ビジネスオンライン)

上記の図のように集客の役割をもつ『募集段階』は多様化しています。
必然的に、リクナビ・マイナビなどの就職ナビの役割は相対的に縮小しています。

かつてのように就職ナビ1本で充分だった地方の中小企業は、この変化する速度に追いつけていないのが実情でしょう。
地方の中小企業はこの多様化を受け入れながら、自社の採用にどの組み合わせ・バランスが最適なのかを模索する必要があります。

しかし、どんなシーンであれ、募集段階で企業に興味をもった求職者は、その興味の確認・比較検討のために採用サイトを訪れます。
デジタル時代に育った若者たちは、より精度の高い情報を自主的に収集し、その段階で選抜してしまうからです。

『集客』の役割をもつ募集段階が多様化するからこそ、『選抜』の受け皿となる採用サイトの役割は今後もより重要度が増していきます。


2018年から始まる採用活動のプランニングはもう始められていると思います。
インターネット活用においては下記の4点をチェックしてください。
特に採用サイトをまだ持たない企業は最重要課題として取り組む必要があります。

1)募集フェイズの多様化はすでに加速している
2)今までのように就職ナビ1本では縮小スパイラルに陥る (特に地方の中小企業は高リスク)
3)自社の募集活動はどの組み合わせが最適なのかを模索する必要がある
4)全ての受け皿となる採用サイトの役割は今後もより重要度が増す (採用サイトを持たない企業は最重要課題)


採用サイトについてご相談・お問い合わせはお気軽に下記からご連絡ください。(稲田)

 

執筆者

稲田 英資

稲田 英資

セミナー・講座で学ぶ「成果」のためのWeb戦略プログラム『SBW』の企画・運営を担当。また、「経営課題としての採用活動」をテーマに取り組み、採用面でのインターネット活用を学び、提案・講座に活かしています。

過去の講師歴
●SBW 『大手採用メディアに依存しない採用サイトのつくり方Vol.1、Vol.2』
●出前講座 『大手メディアに依存しないインターネットを使った採用活動』(福祉団体主催の長野県福祉人材確保・定着支援セミナー)

個人的な活動
長野市ライブハウス『ネオンホール』Webサイトへの連載
『大人になれば』
「働くって何だろう?」をテーマにいろいろ考えたり、話を聞きにいったりするWebマガジン
『働くって何だろう研究所』

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