ある日、下記のツイートを興味深く読みました。
重要な箇所なのでプジョー委員会とJPモルガンのやりとりを抄訳します。
— じっちゃま (@hirosetakao) June 13, 2020
委員会:「あなたはどういう基準である人におカネを貸すのですか?」
モルガン:「それは私が借り手の人物を信ずるからです」
委員会:「借り手の懐具合に関わらず貸すの?」
— じっちゃま (@hirosetakao) June 13, 2020
モルガン:「そういうことは多いです。実際、私は相手が返済の見込みが今立たないようなケースでもおカネを貸したことはあります」
委員会:「ビジネスとしての融資は相手の財政事情や担保の有無で実行されるんじゃないのかね?」
モルガン:「いいえ、そうではありません。最初に来るのは石に噛り付いてでも約束を守る意志の強さ(character)です」
— じっちゃま (@hirosetakao) June 13, 2020
委員会:「それは貸付けを実行する際、ルールとしてそういう貸し方をしているのかね?」
モルガン:「そうです。わが行のルールとして借り手の意志の強さを最重要視します」
ぼくはWeb制作の戦略策定を担当しているので、目的と施策を立てるのが主な役割です。
施策は「意思の可視化」だと思っています。
施策において、手段としてのロジカルな部分も大切ですが、顧客側の「これならやれる/やろう/やるぞ」という意思から行動へと至る態度変容に機能するか。
ここが重要です。
施策に破綻がなかったとしても、行動へと移されなかったら意味がありません。
施策と楽器の習得は似ている
ふと、楽器の習得に似ているなと思いました。
何の楽器も全く演奏できないぼくが、「ベートーヴェンの3大ソナタ悲愴・月光・熱情」を弾けるようになりたい」と目的を掲げたとしても、まずはお手上げです。
まずは分解
- 巨大なる目的をまず分解してあげる必要がある
- 求める演奏はどのレベルなのか
- なんのための習得なのか
- どれくらい期間を要するのか
- いくつのステップに分けられるのか
分解できたら目的設定
分解できたら、第1ステップの目的を再設定する。
「第1ステップの目的:『ねこふんじゃった』のマスター」とかになるのでしょうか。分かりませんが…
第1ステップの目的が設定できたら、それに合わせた施策を検討する。
なるべく現実可能なことを。
目的設定できたら施策を検討
「目的:『ねこふんじゃった』のマスター」の場合もたぶん下記の順で考えると思います。
- マスターするために必要なこと
- 障壁の把握
- 解決するための手段
「これならできるかも。たぶんできる。がんばろう」とぼくが思えることが重要です。
施策が決まったらいよいよ行動
施策に基づいて行動に移す。
実際のスタートはここから。
Web活用でよく言われる「公開してからが本番です」とは正にここを指しています。
でもですね、このぼくがピアノ練習をやり続けること自体が困難なわけです。
飽きっぽいし、仕事あるし、忙しいし。
できない/やらない理由は星の数ほどある。
やり続けるために何が必要なのか
始めるための意思作りは目的設定と施策でサポートですが、やり続けるための環境作りは別のサポートが必要です。
公開されたまま空き家みたいになっているWebサイトはいくつもあります。
ぼくだってピアノ練習、絶対三日も持ちません。
申し訳ないけど、誰かに見てもらわなかったらやりません。
だって忙しいし。
最初は弾けないからつまんないし。
他にやることあるし。
だから俺悪くないし。
余程の意思がないと挫折します。
そして、ぼくも含め多くの人が当てはまります。忙しいから。
忙しさは「続けようという意思」より優先順位にたちます。
そうですよね?
「やらなきゃ」とは思っているけど、「忙しいから」「他にやることがあるから」の一言で、あっという間に「いつか時間ができたら」の箱に入れられます。そして、「いつか」はたいてい訪れません。
「意思」の力で継続をするのは非常に困難です。
「習慣」で行うことが継続に一番向いています。
継続のための習慣化。そのために大切なこと
まず大切なことは「やることを明確にする」です。
アイデア勝負、行き当たりばったりはもってのほかです。
やることが明確だから、型を作ることができます。
継続のためには「型」の存在が必要不可欠です。
「型」が習慣化のいとぐちになってくれます。
次に大切なことは「誰が何をやるのか」をしっかり決めることです。
キックオフだけ盛り上がって何も決まっていないのはもってのほかです。
最初にきちんとワークフローを引き、「誰が」「何をやるのか」を明確に決める必要があります。
明確なワークフローは根詰まりを起こした際に「どこで止まってるのか」がすぐわかるので、初期段階から根詰まりに気づくことができ、習慣化の大敵である「何となくやらなくなった」を回避することに役立ちます。
最後に大切なことは「外部パートナー」の存在です。
外部のパートナーに「他にやることがあるから」は通用しません。
通用する会社もあるかもしれませんが、JBNには通用しません。
「他と同じようにこれも大切なことです」とお伝えして、運用を進めていきます。
Web運用の習慣化に大切なこと
- やることを明確にして、型を作る
- 誰が何をやるのかをしっかり決めて、根詰まりさせない
- 「他にやることがあるから」が通用しない外部パートナーの存在
だから、Webサイト活用は運用の設計と施策が重要なのです。
最重要と言ってもいいくらいです。
…と改めて思ったJPモルガンさんのコメントでした。
モルガンさん、いいこと言う。