営業プロセスの効率化を実現。インバウンドマーケティングのススメ

営業プロセスの効率化を実現。インバウンドマーケティングのススメ

ほしい人に見つけてもらおう。

通常、自社の商品やサービスを購買に導くために、企業がおこなっているのは以下の通りです。
マス広告や展示会、テレアポ、チラシなどによって商品を「認知」してもらい、企業側がネット広告やwebで継続的に情報提供をおこない「興味・関心」を高め、営業マンが顧客に個別に対応し「比較・検討」に持ち込み、「購買・成約」につなげていきます。

上記のような流れは、莫大な予算を広告に投じられるような状況や、広告が即座に購買に結びつきやすい商材(低関与商材など)についてはいまだ有効な手法です。しかし、ターゲットがセグメントされた高価格帯のBtoB商材や、旅行商品や不動産などの検討期間が比較的長いBtoC商材など、最適な商品はなんであるか自らが情報取得を行い、買い手自身がステップを踏みながら少しずつ購買に近づくような場合、画一的な広告手法は難しい場合があります。

ここで活用したいのが、インターネット以後、情報爆発によってもたらされた情報の「受け手」が主導権を持つという現在の状況です。
ユーザーが自身の問題を解決しようというニーズによって、ネットを用いて能動的に解決策を探し、段階を踏みながら商品やサービスを自発的に検討する行動様式に注目します。企業が自社のインターネットメディアを活用し、自分たちの商品やサービスの情報を積極的に発信しながら、相性の良い人に見つけてもらい、その人と継続的に接点を持ちながら相性を確かめ、納得のなかで購入や成約に導く方法です。こういったインターネット時代の消費者・購買者の行動様式に合わせたマーケティング手法を「インバウンドマーケティング」と呼びます。

こんな話をすると、「ネットの情報のみで物が売れるのだろうか?」「これまでの営業の仕組みはどうなる?」といった声が聞かれますが、これまでとまったく違う新しい手法を用いるわけではなく、企業活動や営業活動が十分に活かされる手法です。

 

ソリューション型の営業活動が抱える問題

BtoB企業の営業活動を例に考えてみましょう。
展示会への出展や広告出稿によって見込み客から製品認知を獲得。名刺交換した相手にテレアポや訪問を行い、顧客ごとに課題を把握。その後、提案や見積もりにつなげ受注に結びつけるという方法です。図で表すと、以下のように捉えられます。いわゆる「ソリューション型営業」と呼ばれる活動です。

営業担当が担う業務と、よくある営業活動に関するお悩み

ソリューション型営業は、見込み客の芽出しからアポイントの獲得、面談による課題把握、提案、受注のすべての工程を営業セクションが担います。
特徴はマーケティング活動よりセールス活動の比重が高く、認知した見込み客に営業マンが度合いに関わらずセールス活動に入り、個々が持つ課題解決能力や、コミュニケーション能力、調整力、交渉力によって見込みの度合いを把握し、提案にもちこみ受注につなげます。非常に高い能力が求められるため、スキルの属人化や、後進人材の育成に課題を抱えています。

ソリューション型営業の問題点

1.見込客の検討・購入意欲のものさしが営業マンのヒューマンスキルによる

営業マンが見込み客を「比較・検討」や「購買・成約」段階に導く手法が、個人の経験値に基づくヒューマンスキルによって実現されており、どのように行えばうまくいくかについて言語化されない状況。この結果営業活動の役割分担が難しく、営業マンの限られた時間のなかで全てのリードへの対応が難しくなります。また、担当する営業マンとの信頼関係から担当が変わる度に一から顧客との関係構築が求められることも。

2.検討段階が不明瞭なための面談のタイミングや提案内容が曖昧になりがち

見込み客の検討の段階が、情報収集の段階であるのか、製品を具体的に検討しているのかどうかが把握できていない場合、いつのタイミングでどんな内容の提案を行うべきかについて方針が決まりづらい。ニーズが把握できてないタイミングでの提案活動において、無駄が生まれやすい。

3.買い手のネットを用いた情報収集段階に関与しずらく、価格や機能の競争になりがち

課題を解決する手段について買い手がある程度の解決策の情報収集を行ってから、企業に相談することが増えたため、声がかかる段階で製品やサービスの機能や価格のみで検討されてしまうことが多く、競合他社との差別化が難しい。

営業上の問題を解決するインバウンドマーケティング

上記の営業上の問題を解決するような枠組み、つまり「営業マンのヒューマンスキルに頼らず、顧客の商品やサービスの検討段階にできるだけ早く関与し、検討フェイズになった際に自社の商品やサービスが想起され、最初に声をかけてもらえるような枠組み。できるだけ早く自社と相性の良い見込客に関与し、信頼を構築する仕組み」これこそがインバウンドマーケティングの仕組みです。

インバウンドマーケティングは、インターネットでのコンテンツを軸に、以下の3点で営業活動に貢献します。

  • 商品やサービスに興味のある見込み客に見つけてもらう(リードの創出)
  • 継続的に接点を持ち見込み客を育てる(リードの育成)
  • 検討度合いの高い見込み客を探し出す(リードの抽出)

非効率にならざるを得なかった領域を営業支援ツールを使って効率化。

このプロセスの特徴は、セールス活動の比重と同等程度にマーケティングのプロセスを重視することです。マーケティングプロセスで自社の製品やサービスに興味のあるリードに見つけてもらい、継続的にメールマーケティングで接点を持ちながら、リードの製品への欲求を高め、見込み度合いを見極め、成約に近い顧客のみをセールスにトスします。
セールスは、ホットになった顧客のみと商談し提案、受注につなぎます。本来営業マンが力を発揮すべき信頼の構築に力を注げることも魅力です。
また、このプロセスを用いることで見込客の情報収集に早い段階から関与することが可能になることで、機能や価格のみの検討を回避することができます。

「リード」とは?

名前や所属、連絡先が明らかになっている、顧客になりうる「人」これまでの「見込み客」という言葉は、個人を意味したり会社を意味したり多義的であったためネットを用いたマーケティング施策では「リード」を用いるようになっています

 

リードの創出

自社の製品やサービスの顧客となりうるリードを集めるための一連の活動を指します。弊社では、リードの創出を「リードからの認知」「リードの集客」の二種類に分けて施策を展開します。

リードからの認知

課題が明確にならないユーザーを幅広く獲得します

リードを集客

コンテンツSEOを用いて検索ユーザーをサイトに集客します

リードの育成

メールを使ってリードに対して、有益な情報や自社製品・サービスを案内して購買意欲を高めるプロセスを指します。リードを育てていく仕組みともいえます。

リードの情報獲得

E-BOOKのダウンロードやセミナーへの参加時に、顧客情報と興味関心を取得します。

リードとの継続的な接触

メールマーケティングを活用し、セグメントしたターゲットリードに定期的にコンテンツを届け、検討の後押しをおこないます

リードの抽出

行動データから製品やサービスの検討の度合いが高いリードを探し出し、セールスへ渡します。

リードの状況把握

メールの開封数や、ページの閲覧履歴、訪問頻度、ソーシャルメディアへの反応など自社の接点からリードの状況を随時確認します。

リードの発見

問合せCTAのクリック、度重なるメールの開封などから検討度合いの高いユーザーを洗い出し、セールスへ渡します。

リードへの施策を分解


リードの創出・育成・抽出するための施策一覧

SNSマーケティング (創出)

Webサイトへの集客として、TwitterやFacebookなどのSNS活用が欠かせなくなってきました。 特にTwitterでは「自社についてのツイート(UGC)」を発見し、積極的に反応することで、SNS上にの自社情報量を増やし、リードに発見してもらえる確率を高めることができます。

コンテンツSEO(創出・育成)

ユーザーは自身の課題解決を求めて検索し、Webサイトに訪れます。そのため、製品やサービスを必要としている人々の「課題」がコンテンツ化されていることが重要です。自社のプロモーションよりも、顧客の課題解決に力を注ぐことが集客できるコンテンツとなります。

オンラインセミナー(集客・育成)

開催会場を用意する必要性がないこと、運営に手間がかからないことなどから、オンラインセミナーは気軽に展開できる施策となりました。参加に国や地域を選ばない「オンライン」の強みを活かし、これまで届かなかった顧客層にアプローチしましょう。

資料ダウンロード(育成・抽出)

Webサイトに訪れたユーザーがすぐ問い合わせをすることはほとんどありません。彼らは自分の課題を解決するための情報収集をしている段階です。彼からの課題に応える資料をWeb上に用意し、資料ダウンロードで「社名・部署・名前・メールアドレス」を獲得しましょう。展示会での名刺獲得に匹敵する大切なステップです。

メールマーケティング(育成・抽出)

資料ダウンロードで獲得したユーザー情報は活用されなければ意味がありません。ユーザー管理ツールなどに情報を集約することが大切です。集約したユーザー情報を活かし、定期的なメール接触でユーザーの見込度を図る作業がメールマーケティングです。展示会後の営業活動に匹敵する大切なステップです。特にBtoB企業では近年重視されている施策です。

インターネットをうまく活用してセールス活動に専念しよう。

インバウンドマーケティングは、これまで営業セクションが担わざるを得なかった活動を分解して、成約率の高い見込み客との出会いを実現しようとする取り組みです。導入には関係するスタッフの十分な合意が必要になります。弊社では、インバウンドマーケティングの概要や、その活用手法についてセミナーを定期的に開催しておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。

運用セミナーのお申し込み

執筆者

坂田 大輔

坂田 大輔

一見、関係が無さそうな具体的な事象を繋ぎあわせ、抽象的な何かを見つけることが好きです。株式会社JBN専務取締役。ディレクター/ファシリテーター/SBWをプロデュース/HubSpot導入支援/SLOWLIEというバンドをやっています。