Web制作プロジェクトにおける、クライアントとの程よい距離感とは?

Web制作プロジェクトにおける、クライアントとの程よい距離感とは?

目次

Webサイト制作プロジェクトを成功させるためには、クライアントとの距離感が非常に重要です。クライアントとチームとして協力し、プロジェクトを進めるためには、クライアントの業界に深く理解を深めることや、担当者との信頼関係を築くこと、さらにはその企業の内部事情に通じることも時には必要になるでしょう。

しかしながら、クライアントと親しくなって内部事情を知りすぎてしまうがゆえに、第三者的な視点を持ちづらくなったり、クライアントの業界やサービスばかりを突き詰めてしまうと、ユーザー目線に立った提案が難しくなることがあるのも現実です。

本記事では、クライアントと制作会社の関係性における適切な距離感について考えたいと思います。

Webサイト制作プロジェクトにおける制作会社の立ち位置

Webサイト制作プロジェクトにおいて、制作会社はクライアントの事業課題に対して専門的な視点から現実を正しく認識し、ユーザーのニーズとを総合的に考慮しながら施策を実行する必要があります。さらに、意見の相違や問題が生じた際には、円滑なコミュニケーションを通じて調整役として働き、スムーズなプロジェクトの進行をサポートする役割も担います。

したがって、制作会社はクライアントにとって、第三者的な立ち位置であることが求められます。

クライアントとの関係性で陥りがちなこと

クライアントとの関係が親密になるほど、意見交換がしやすく、円滑なコミュニケーションが生まれます。その結果、コミュニケーションにかかるコストが軽減したり、クライアント自身が自社についてより深く理解してもらえているという気持ちになり、満足度が高まる傾向が見られます。
その反面で、親しくなるほどクライアントのビジネスについて内部の社員のように深く知りすぎてしまう場合があります。特にWebサイト制作後の運用支援など、クライアントとの関係が長期にわたる場合では、クライアントの立場に過度に共感し、内部事情や要望に過剰に合わせてしまうことがあるかもしれません。
事業課題に効果的な施策を実施しようとしても、上層部や周囲の理解が得られない場合などでは、クライアントのリソースや社内の関係性が詳細に把握できているがゆえに、担当者の負担を気にして施策を進める際に迷いが生じたり、適切な施策の推進が難しい状況になってしまう可能性があります。

また、クライアントは自社の置かれている業界に肯定的な視点をもっており、その業界ならではの常識や、前提条件のようなものが存在する場合があります。制作会社も通常、クライアントの業界やサービスについての徹底的な調査や、深い理解を必要とされることがあります。
しかしその場合、制作会社が過度にクライアントの業界にばかり精通しすぎてしまうと、業界ならではの常識にとらわれ、かえって第三者的な視点や最適解を見逃す可能性があります。

クライアントの関係性で意識すべきこと

クライアントとの関係性において、意識すべきことを「人と人との距離感」と「クライアントの業界やサービスをみる視点」の2つの側面から考えます。

クライアントの組織に同化してしまわないよう、第三者的な視点をもつ

クライアントとの協力関係を築く際、大切なのはクライアントの組織に同化しすぎず、第三者的な視点をもつことです。深い理解と共感はコミュニケーションのうえで重要ですが、組織の内部に深入りしすぎないことで、良好な関係を保ちながらも、成果を出すために本来やるべきことや課題がクリアになります。

クライアントの業界やサービスに関する情報にとらわれず、幅広い視点をもつ

クライアント側が、自分たちの業界を肯定的に評価するのは自然なことです。しかし、制作会社としては、クライアントと同じ目線で業界を見るのではなく、類似業界や他業界などにも注意を向け、広い視野と異なる視点をもつことも大切です。

また、Webサイト制作プロジェクトでは、情報設計をする際に、製品やサービスをどのように分類するか、どのようにユーザーをWebサイトに導くか、どのようなコンテンツを用意するかなどを定める必要があります。その際に、業界やクライアントのサービスに対する知識は重要ですが、だからといって知らないという状態がいけないわけではありません。
なぜなら、業界やサービスに関する前提がないからこそ、新しいアイディアが生み出せたり、ユーザー目線に立った施策を考えられるという場合も大いにあるからです。 

まとめ

Webサイト制作プロジェクトの成功には、クライアントとの適切な距離感が大切です。
目的はクライアントとの「良い関係」をつくって、よい成果に結びつけることです。「良い関係」とは単に「ツーカーの仲になる」ということではありません。
クライアントの業界やサービスに深く理解を深めつつも、クライアントの視点に同化しすぎることなく客観的な視点や広い視野をもち続けることがポイントです。
このバランスが、単なるサイト制作を超えて、長期的な信頼と共に満足度の高い成果をもたらすにちがいありません。

クライアントと制作会社の関係性は、その時その状況によりまちまちです。皆さんがそのどちらに属しているのかにかかわらず、両者の適切な関係性とはどのようなものなのか、現実に即して考えてみる価値はありそうです。

お問い合わせやご相談はこちらから

オンライン相談を予約

その他のWebマーケティング関連記事

CONTACT お問い合わせ

詳しいサービスの内容や実績を知りたい方、Webマーケティング戦略、サイト構築、運用支援のご相談など
お気軽にお問い合わせください。

フォームから相談する

24時間365日受付。2営業日以内にご返信します