Webマーケティングを始めると生じる営業部との温度差問題

目次
Webマーケティングを始めた長野県BtoB企業様から下記のようなご相談をいただきました。
ご相談内容
HubSpotを導入し、Webマーケティングを始めたが、マーケティングチームと営業部との温度差がある。ご回答
まず、これはどの会社でも起こることです。導入初期の最大の共通課題といってもよいくらいです。例として下記のような温度差が想像できます。
このご相談内容はWebマーケティングの「あるある」と言ってもいいかもしれません。
特に長野県のような地方企業には根強い課題かと思います。
このページではこの課題と解決についてご説明します。
営業部との温度差の例
見込み客A社がWebサイトで資料をダウンロード
* この時点で、見込み度があるユーザーと想定されます
マーケティング担当から営業担当にその情報をパスし、メールか電話で接触していただきたいと依頼
* まず、この時点で営業部の方から嫌な顔をされます。「余計な仕事を増やしやがって」「どうせ電話しても何もないよ」など
それでも、アクションをしてくださいと依頼し、渋々やっていただく
電話したが、「別に見たかっただけ」と言われたよ。特に仕事に繋がらなかったよと営業担当から報告される
上記例だけでも、「温度差」以上のものがあります。
これは「これまでWebを起点とした活動をほぼしたことがない」という地方企業の特有課題でもあります。
Webを起点としたマーケティング活動のステップ
Webマーケティングの基本形は下記の3項目にまとめられます。
- マーケティング(集客・リード獲得)
Web集客、コンテンツ作成、セミナー開催、資料DL、メール配信など
↓ - インサイドセールス(継続接触・案件化)
継続的な情報提供:コンテンツやDL用資料・セミナーの追加、メール配信など
反響型営業:フォローコールやメールでのコミュニケーションなど
↓ - セールス(Web面談・提案・見積もり・受注)
上記の「温度差の例」で起きていることはインサイドセールスが当てはまります。
インサイドセールスの「反響型営業」を誰がやるかの問題です。
- マーケティングチームは「案件化への大切なステップだからやってほしい」と望む
- 営業部は「受注に関係ないからやりたくない」と考える
これが温度差の正体です。
インサイドセールスとは
「マーケティング」と「セールス」の間にあるのがインサイドセールスです。
「マーケティング」と「セールス」両方の性質を持つのが特徴とも言えます。
ユーザーニーズを想定したコンテンツやダウンロード資料などをWebに追加し、メール配信などで接触する「継続的な情報提供」と「継続的な接触」はマーケティングチームが担えます。
しかし、反響型営業には専門的な技術知識や経験が必要です。
「反響型営業」とは資料ダウンロードしたユーザーや、メールURLのクリックなどの「中間的な引き合い」があった見込客への対応です。
「放置しないこと」が大切
インサイドセールスでは資料ダウンロードしたユーザーを放置するのではなく、メールや電話でリアクションし、どんな課題をお持ちなのか、どんな理由で情報収拾しているのかをヒアリングします。
ゴールとしてはWeb面談などのセールスへの接続ですが、Webマーケティング導入直後ではそこまでいかなくても十分です。大切なことは「放置しないこと」「接触すること」「今の課題やニーズを聞くこと」です。
受注に直結はしませんが、見込み客の状況を個別に把握し、よりよい情報を提供するために大切な「種まき活動」です。
優れた「ドアノック製品」を持っている企業は強い
企業によっては購入されやすい製品やサービスのデモ機貸し出しやサンプル提供を提案するといった『ドアノック製品』をインサイドセールスのゴールにするケースもあります。
優れた『ドアノック製品』は案件化につなげる有効なステップにもなります。
地方BtoB企業共通の悩み
「見積もり依頼」や「技術相談」といった案件化に近い「引き合い」は営業部の方に対応いただけます。この「中間引き合い」への対応が悩みのタネです。
- 「マーケティング」と「セールス」の間にあること
- 受注に直結しない種まき活動
上記2点で営業部の方からは敬遠されます。
最悪、「インサイドセールス」をやらず、「マーケティング」と「セールス」だけでも活動にはなりますが、継続的な成果を組織的に培っていくためにやはり必要です。
問題は「誰がやるか?」です。
そして、多くの長野県企業の場合、人的リソースの点からも、専門的な知識や経験の点からも、営業部の協力を仰ぐしかありません。
“営業部の皆さんに「インサイドセールス」を活動いただく”
長野県に限らず、地方のBtoB企業はWebマーケティングを始めるにあたり、この問題を解決する必要があります。
この課題解決もJBNのWebマーケティング支援では重要な取り組みです。
Do(やる)のチーム作りが大切
Web活用で成果を出すためにはツールや手法を取り入れるだけではうまく行きません。
● Why(なぜ)
● What(何を)
● How(どうやって)
これだけでは足りないのです。
● Do(やる)
このこの施策や活動が大切です。つまり、Webマーケティングのためのチーム作りです。
しかも、これはマニュアル化できません。扱う製品やサービスもリソースもチームメンバーも一社ずつ異なります。
だからこそ、JBNのようなWebマーケティング支援を提供するサポート企業が必要となります。成果のための取り組みをチームとして共創する外部支援を見つけることが大切です。
補足
「マーケティング」と「セールス」だけで十分成果を出している長野県企業様もあります。JBNのお客様でもいらしゃいます。
企業規模や組織規模、社風やマインドによっては「マーケティング → セールス」の直結型でも全然問題ありません。むしろ、地方の中小企業モデルとしてはこちらの方がシンプルで強いとも言えるかもしれません。
「営業部との温度差問題」の解決に必要な3要素
問題解決には下記の3要素が必要です
1 目的の共有
2 時間
3 成果
1 目的の共有
上記例の場合、営業部の方は「何のためにアクションするか」の目的がまだ浸透しておらず、「受注するか否か」の評価でのアクションになってしまっています。
セールスの最終目的は受注ですが、
インサイドセールスの最終目的は案件化です。
そのため、資料ダウンロードした企業へのアクションは「どんな課題を持っているのか。なぜこの資料をDLしたのか」を引き出すヒアリングが目的となるべきです。
よって、営業部の皆さまとの目的共有が課題解決の重要ポイントになりますが、それには「時間をかける必要がある」と認識ください。
2 時間
営業部の方に「この行動は何のためにやるのか」の目的共有が重要ポイントになりますが、それは一度言っただけでは浸透しません。
なぜなら、営業部の方にとっては「これまでやってなかったこと」であり、「自分の業務範疇外」と思われるからです。
インサイドセールスという「新しい活動」を社内に定着させることが導入初期の最大課題です。
新しい活動の定着には時間という「投資」が必要ですが、営業部に浸透するまで3ヶ月から半年はかかると見込んでください。
時間の使い方として下記の3点が有効です。
01 経営者か全社および営業部へのメッセージ
この「新しい活動」は会社にとって必要な重要施策であるという経営陣から全社へのメッセージは重要です
02 目的を何度でも共有する社内活動
マーケティング・インサイドセールス・セールスの役割分担とそれぞれの目的を資料化、社内セミナーなどを定期的に実施する
03 ヒアリングシートのドキュメント化
資料ダウンロードした企業へのアクションで「何を聞くべきか」を社内協議し、ヒアリング項目をドキュメント化および共有し、営業部に使っていただく
3 成果
営業部の方の変化に一番貢献するものは成果です。
「新しい活動に協力した方が、セールス結果につながる」という体験こそが営業部の方の変化につながります。
特にBtoBでは最初はすぐに成果など出ません。
しかし、「小さな芽」は出ます。それを見逃さず記録し、可視化することが重要です。
スタート1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の「小さな芽」の記録の蓄積をドキュメントにし、営業部の皆さんに共有することが導入初期は重要です。
スタート1〜3ヶ月の「小さな芽」の蓄積を見て、やっとアクションをし始めてくれるようになると、4〜6ヶ月目は「小さな成果」といえるものが出てきます。
そこまではマーケティング担当様が大変なのですが、必要なプロセスです。
JBNのWebマーケティング支援をご活用ください
以上、重要な3要素をご説明いたしました。
「言っていることはわかるけど…」という不安になるかと存じます。
そのためにあるのがJBNのWebマーケティング支援です。
JBNではHubSpot導入後、上記3要素について伴走し、支援いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。