MA導入後のサイト活用のヒント。基本施策と実行のための準備

目次
現在、ビジネスの世界でもWebサイトは企業の情報発信としてのツールから、直接ユーザーとつながり関係をつくるための企業活動のツールへと変化しました。
それに伴い、Webマーケティングの重要性が高まっています。
コロナ禍の影響もあり、地方企業でも急激に注目が高まっているWebマーケティング。地方の中小企業のためのWebマーケティングのポイントについて、まとめました。
Webマーケティングのメリット
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営業支援として活用されるWebマーケティング
地方企業では、マーケティングの領域とセールスの領域を分類せずに、どちらも営業活動として取り組んでいる企業が多くあります。
これまで営業担当者が行っていた、商談の前の「芽出し活動」をインターネットを活用して、効率化することができます。
Webマーケティングの基本形
Webマーケティングについて検索すると、さまざまな手法が出てきますが、おおよそ基本の流れは下記のようになります。これからWebマーケティングを始める企業では、下記の4つの基本施策がまわるように、Webサイトや体制を整えるのが良いでしょう。
ステップ1 集客施策
Webサイトに見込み客を集めるための施策です。
Webサイトに訪れる見込み客を増やすには「企業紹介」「製品紹介」だけではうまく集客できないでしょう。
誰もが知る製品や企業名でない限りは、企業や製品の紹介だけのWebサイトでは、検討段階前の顧客をWebサイトに集めるのは非常に難しいです。
集客に有効な施策は例えば、以下の方法があります。
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
- Web広告
ステップ2 リスト化施策
「リスト化」は、見込み客の情報獲得のための施策です。
Webサイトに見込み客を集客できるようになったら、集めた顧客の情報を取得するための施策を考えましょう。
せっかくWebサイトに集客ができても、一回の情報提供だけで終わってしまうと、売上には貢献できません。WebマーケティングにおいてのWebサイトの目標は、売上をあげたり、売上につながる情報を営業部にトスすることです。
リスト化に有効な施策は例えば、以下の方法があります。
- ダウンロード資料の設置(基礎知識などの情報収集に役立つ資料)
- オンラインセミナーの実施
また、社内に活用できずに眠っている名刺データも、CRMに取り込んでデータ化しましょう。そうすることで、今後のマーケティング施策の実施に活用することができます。
ステップ3 接触施策
リスト化した顧客に対して、定期的にアクションをしましょう。
定期的に情報発信を行うことで、製品やサービスが必要になった時に想起してもらえる可能性が高くなります。
しかし、一方的な情報発信ではなく、顧客にとって役に立つ・または興味のある情報を発信し続けることが重要です。
特にBtoB企業のマーケティング活動において、とても重要になるのは「検討段階に入るときに一番に想起してもらうこと」になります。
BtoB企業の検討期間は非常に長いため、比較検討の段階に入るまでの間に嫌われずに接触し続けることが、大変重要になります。
接触のための施策は例えば、以下の方法があります
- メールマーケティング
- 接触するために「価値提供できるコンテンツ」の企画・実施が必要になります
- リターゲティング広告
ステップ4 案件化施策
見込み客に定期接触をしながら、次のアクションを促す取り組みを行い、顧客の検討段階や興味関心を可視化する施策です。
例えば、「基礎知識集の資料」をダウンロードした見込み客に対し、1ヶ月後に「弊社の事例集の資料」をご案内します。
基礎知識資料のダウンロードは、おそらく情報収集を行っている段階です。ここですかさず営業電話をかけても、社内で検討の段階まで進んでいないため、案件化はしません。
そのため、時間を置いてから「事例集」のご案内をします。事例集までダウンロードをした顧客は、情報収集の段階から、検討段階へ進んだと判断ができます。
「この情報を取得した人は、次にどんな情報が欲しいだろうか?」ということを考えながら、次のアクションを企画しましょう。
案件化のための具体的な施策は、例えば以下の方法があります。
- 資料ダウンロード(事例集、解決方法などの具体的な内容)の設置
- オンラインセミナー
- デモ機貸出
- サンプル提供
Webマーケティング活動の注意点
- 中小企業が陥りがちなWebマーケティング失敗要因
- トレンドに左右されてしまう
- 単発の施策で終わってしまう
- 施策の順番が間違ってしまった
- 大手企業の施策のマネをしてしまう
- 外注すれば上手くいくと考えている
- 短期的な成果を追いかけてしまう
- ツール導入をすれば解決できると考えていた
- 導入しても運用できるスタッフがいなかった
- Webマーケティングに詳しい人間がいない
- メールの配信数やコンテンツの数をこなすことだけが目標になっている

Webマーケティングの準備のポイント
成果を出したい商品やサービスを絞る
Webマーケティング実施の前に、まずは「課題の把握・整理」と「目標の設定」が大切です。
Webマーケティングの基本施策は「手法」です。そのため、手法の実施前に、現状の営業活動のどこに課題があり、Webサイトを活用してどこを効率化するのか、具体的に定める必要があります。
目標を定めないと、何を結果として検証するのか曖昧になってしまい、施策の効果がわからなくなり、次の施策が打ち出せないために、成果が出づらくなってしまいます。
しかし、最初の目標設定の際にも気をつけなければならないポイントがあります。
それは「大きな目標を設定しないこと」です。
例えば「売上をあげる」などの大きくて漠然とした目標は、何から始めたらいいかわからず、成功までの道のりも遠くなってしまうため、途中で頓挫しやすくなります。
マーケティングを始めたばかりの段階では、まず最初はWebマーケティングを実施する製品やサービスを絞り、手が届きそうな目標を立てることがWebマーケティングを成功させるためのポイントになります。
最初の目標の例
- デモ機貸出の申し込み数を伸ばす
- 既存顧客への認知を広める
- 1キーワードでのサイトの集客を伸ばす
中小企業の場合は特に、マーケティングという文化自体がない場合が多くあります。
そのため、小さな成功を積み重ね、やれば成果が出るという環境をつくり、Webマーケティングを社内に定着させることが重要となります。
Webマーケティングの準備「目標設定」のポイント
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名刺や顧客リストを整理する
Webマーケティングの基本施策(4つのステップ)の大きな目的は、以下の2点になります。
- 見込み客に、必要な時に想起してもらうこと
- 顧客の興味や検討段階を可視化すること
そのため、見込み客の情報を集めることはとても重要になります。
コンテンツマーケティングや広告による集客も大切ですが、それだけに頼ってしまうと顧客リストの蓄積はかなりの時間がかかってしまいます。
見込み客のリスト化のためにとても大切な財産になるのは、いま会社に存在しているが活用していない「名刺」「顧客リスト」です。
例えば、展示会で名刺交換を行い、展示会直後にテレアポを行ったが断られた名刺、というのは多くの企業でたくさんお持ちなのではないでしょうか。
BtoBの場合は、検討段階に入るまでの期間が非常に長いです。そのため、展示会では情報収集を行っていただけで、検討には至っていないことが多くあります。それを、1回のテレアポが成功しなかったために放置してしまうのは非常にもったいないことです。
さらに、古い「展示会で交換した名刺」は、今もその方が企業に在籍されていた場合、何らかの役職がついていることが考えられます。つまり、リスト化することで決定権を持った人物に情報をお届けできるということです。
また、失注した案件の名刺リストも、大切な財産になります。なぜなら、5年や10年先に同様の製品の入れ替えがある可能性があるため、接触を続けることは数年先の芽出し活動につながります。
Webマーケティングの活動を成功に導くために、まずは会社の名刺や顧客リストを洗い出してみましょう。
Webマーケティングの準備「施策実施」のためのポイント
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運用体制をあらかじめ定める
Webマーケティングを成功させるためには、社内にWebマーケティング活動を定着させるための体制作りが必要不可欠になります。ただツールを導入しただけでは、運用ができないからです。
自社にWebマーケティングについて知識があり、マーケティング業務に集中できる人材がいない限りは、自社だけでWebマーケティングの体制を作ることはとても困難です。
また、外部の企業にすべてを頼ってしまうことも、失敗してしまう要因となります。なぜなら、外部の企業では営業部との連携や、企業の経営目標に沿った判断が難しいからです。
私たちJBNは下記の体制をおすすめしています。
- 社内にマーケティングの担当者(2名以上)を設ける
- Webの活用については専門知識を持つ外部の者に任せる
マーケティング担当者を2名以上設けたほうが良い理由
Webマーケティングの施策を成功させるためには実施のためのリソースの確保が必要です。Webマーケティングを行うための役割は大きく分けて、4つの分類があります。
これらを兼業で一人の人物がこなすのは、非常に困難です。また、一人に頼った場合は、異動や転職があった場合に、社内でWebマーケティングを続けることが難しくなってしまいます。
Webの活用を外部に頼ったほうが良い理由
施策を分析し次の施策展開を考えるには、マーケティングの専門知識が必要になります。マーケティングの知識を持つ者を社内で育てるには、非常に労力も時間もかかります。
また、外部からの客観的な視点で、企業の目標と施策と、社会全体を俯瞰して見ることができる目は施策実施のためには重要になります。
「どんな企業活動がいま必要か?」という目的・目標や施策の妥当性を判断し社内に浸透させる役割は、社内に設置し、「どんなWeb活用が効果的か?」という手法の部分は専門知識を持つ外部の者に任せましょう。
Webマーケティングの準備「体制づくり」のポイント
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まとめ
企業の活動をよりスムーズにするために、Webを活用したマーケティングに注目が高まっています。Webマーケティングを実施するためには基本の施策と、それを実行するための目標設定、体制づくりを行いましょう。
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