Web担当者向け「Facebook活用の基本とヒント」

目次
会社でSNSの運用を始めたけれど、
「どんな情報を発信したら良いのかわからない。」
「イベントのあるときにしか活用できない。」
そんなWeb担当者ならではの悩み、みなさんも一度は抱いたことがありませんか?
お客様から「Facebookで企業ページを立ち上げたけれど、どのように活用して良いかわからない」と相談をいただきました。
そこで、Facebookの仕組みと活用のヒントについて、JBNのWebディレクター佐藤が調査した内容と所見をまとめました。
それではまず「ユーザー同士の関係」の違いについて説明します。
SNSの種類 | 使用する名前 | ユーザー同士の関係 |
実名 |
実名での活用のため、友人・知人の関係であったり、リアルの場でつながりがあるもの同士が多い。 |
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匿名 |
リアルのつながりもあるが、趣味で繋がるオフラインの友人・知人同士が比率としては多い。 |
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匿名・実名 |
匿名のユーザーがやや多い。 |
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TikTok | 匿名 |
匿名が多いが、10代の若者はリアルと地続きと考えているため、リアルの友人同士で繋がっていることは多い。 |
Pintrest | 匿名 |
交流よりも情報収集のために活用されるため、気になった人をフォローし、その人物がまとめる画像を共有してもらうような活用方法が多い。 |
LINE | 実名 |
クローズドなSNSのため、限られた人間関係のみで活用。 |
Facebook、LINEは、友達関係やビジネスのつながりがある、リアルの関係が多い傾向にあります。
Instagram、TikTokは実名、匿名どちらも多く、画像や動画などのビジュアルでのコミュニケーションが中心になり、リアルとオフラインのつながりがどちらもあるツールです。
Twitter、Pintrestは、匿名での活用が多く、情報収集のために活用される事も多いため、興味関心で繋がるユーザーが多くいます。
拡散性の違い
つぎに「拡散のされ方」について説明します。
SNSの種類 | シェアの機能 | 情報の届き方 |
シェアボタン シェアの種類が選べて、シェアの方法によっては友達の友達にまでシェアができる いいね いいねした人のタイムラインに表示され、いいねをした人の友人にまで届くことがある |
友達の投稿と、友達が「いいね」した投稿や「シェア」した投稿がタイムラインに表示される | |
リツイート リツイートした人のタイムラインで流れ、リツイートした人のフォロワーにまで届く |
フォローしている人の投稿と、リツイートが届く | |
シェアの機能は無し | フォローしている人の投稿のみ | |
TikTok | シェアボタンはあるが、 他のSNSツールなどを活用して、動画を共有する |
おすすめのタイムラインに表示されることで多くの人に届く |
Pintrest | シェアの機能は無し | 情報収集やアイデア収集のためにピンをし、それに関連するものや近いものがレコメンドされる |
Twitter、Pintrest、Instagramは匿名でのやりとりが多く、自身の興味のある分野の情報収集に使われることが多いため、フォロワー同士は興味関心で繋がっているといえます。
Facebook、LINEは本名で友人関係(またはビジネス)の連絡や近況報告のツールにもなっているケースが多く、フォロワー同士はリアルの繋がりが強いです。
前者の「興味関心の繋がり」の方が、ユーザー同士の繋がりは広く浅い関係になります。拡散された場合は広範囲に広まりやすいですが、一過性の情報として流れてしまうスピードも早いです。
後者の「リアルの繋がり」の方が拡散力は弱くなりますが、「顔のわかる知人のおすすめ」なので印象に残りやすい情報になると考えられます。
使い方と機能の違い
代表的な3つのSNS「Facebook」「Twitter」「Instagram」で、拡散のされ方と使用方法の違いを比較して見ていきましょう。
フィードの仕組み |
時系列で表示されない タイムラインへの表示の順番を決める要素 |
時系列 または、新着のハイライトとおすすめのツイート |
フォローしている人の投稿のみ、時系列ではなく投稿の質で表示順が左右される |
情報の届き方 |
友人の投稿と、友達が「いいね」した投稿や「シェア」をした投稿がタイムラインに表示 |
フォローしている人の投稿と、リツイートが届く | フォローしている人の投稿のみ |
シェアの機能 |
シェアボタン いいね |
リツイート リツイートした人のタイムラインで流れ、リツイートした人のフォロワーにまで届く |
シェアの機能は無し |
ユーザー同士の繋がり方 |
面識のある人が多い |
面識のない人が多い オフラインの友人や、共通の趣味を持ったオンライン上の友達が中心 |
面識のある人がやや多い オフラインの友達の近況と、興味のある人物をフォローする傾向 |
使われ方 |
友人への近況報告や、おすすめ情報の発信に使われることが多い |
趣味や興味のあることの情報収集 同じ趣味を持った友達同士のコミュニケーションも盛ん |
面識のある人や、興味のある人物の近況確認やコミュニケーションに使われる ハッシュタグを活用した検索で、興味のあることの情報収集にも使われる(例:旅行先の候補地の検索) |
Facebookは身近な人へのお知らせや近況報告などのコミュニケーションが中心。
Twitterは趣味思考の共有・共感、タイムリーな情報収集に活用されています。
Instagramは近況報告の側面はありつつ、ストック型の情報収集ツールとしても機能しています。
Facebookの特徴
実名制のSNSで、日本国内ではビジネスパーソンを中心に使用している人が多くいます。
メインのアクティブユーザーは30代〜50代中心。友人だけではなく、仕事や取引先ともつながっていることが多いため、フォーマルな場としての活用が多いというユーザー層の特徴があります。
オーガニック投稿と広告を活用して、認知やブランディング、リード獲得を行う企業が増えています。
Facebookのフィード(表示)の仕組みとFacebookのミッション
Facebookの初期からある仕組みで、親密度(Affinityscore)×重み(Weight)×経過時間(Time)という計算方法でスコアを算出し、ユーザーのタイムラインに表示をさせる仕組みがあります。
親密度(Affinityscore) × 重み(Weight) × 経過時間(Time) |
そのため、Facebookのユーザーのタイムラインには、単純に最新の投稿順ではなく、使用者が興味関心を持ちそうで、なおかつホットな話題が優先的に表示されるようになっています。
2017年頃、Facebookはフェイクニュースやネガティブな報道、悪質なコンテンツに活用されてしまう問題があり、初期の仕組みから大きく変化しています。
Facebookは「関連性の高いコンテンツ重視」から「意味のある交流重視」へ目標を変え、企業の告知やニュースの場ではなく、家族や友人とのやりとりが生まれる場にしていくことを優先すると宣言しています。
Facebookグループは初期の企業のミッションを「making the world more open and connected(世界をよりオープンにし、つなげる)」としてきましたが、現在は「give people the power to build community and bring the world closer together(人々にコミュニティ構築の力を提供し、世界のつながりを密にする)」としています。
人々にコミュニティ構築の力を提供し、世界のつながりを密にする |
Facebookが提唱している「意味のある交流」に影響力のあるユーザー
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現状のFacebookのアルゴリズムについてわかっていること
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Facebookの方針からわかること
上記の「Facebookが挙げている、意味のある交流に影響力のあるユーザー」と「現状のFacebookのアルゴリズム」からわかることは、「一方的な情報発信と思われる投稿」は広告的情報と判断され、除外されていくということです。
人同士のコミュニケーションを重視するため、コミュニケーションをせずに一方的な情報発信を行なっているアカウントは、多くの人のタイムラインへの表示が下がっていると考えられます。
Facebook投稿のヒント
Facebookの仕組みや方針を踏まえつつ、企業でFacebookを活用するにはどのようなことを考えると良いでしょうか。
自社の方針を踏まえ、どのようなコミュニティを築きたいか考える
「SNSをどのように活用したら良いか、わからない」とお悩みの企業の多くは、一方的な情報発信のみに活用している例が多いかと思います。
投稿のセオリーやノウハウを学ぶのも大切ですが、まずは自社のミッションを思い返して、お客様や地域の人間とどのようなコミュニケーションをとっていくことが良いかを考えて、言語化しましょう。
例えば、農業を中心とした地域貢献や人とのつながりの強化が、企業のミッションの場合。
農業を応援するようなメッセージの発信や、農業に関する投稿へのリアクションなどを行い、多くの人に「農業の現状」や「農業に関する取り組み」を知ってもらう事が目的として設定できます。
そうすると、まずは「農業に携わる人」とSNS上でつながることが、最初の目標になるかもしれません。
まずは自社のミッションを思い返して、 お客様や地域の人間とどのようなコミュニケーションをとっていく事が良いか 言語化する |
今いるファンの興味関心や属性を知る
現状、企業のFacebookページに「いいね」「フォロー」がある場合は、今見てくれている方がどのような人たちなのかを知りましょう。
そして、今フォローしてくれている人たちが、その友人や知人たちに、おすすめしたくなるような情報、コミュニケーションが取りやすい情報とはどんなものかを考えると良いでしょう。
現在、商品やサービスを活用しているお客様が多い場合は、そのお客様が、自分の友人に紹介したくなる投稿をしていくと良いでしょう。
例えば、商品やサービスの特長であったり、ポジティブな印象を受ける製作秘話など。
また、自社に関する投稿やコメントがある場合には、積極的にコミュニケーションを取るべきです。
現状、自社のお客様やお客様になりえるユーザーがいない場合は、自分たちからお客様へコミュニケーションを取るところから始めると良いでしょう。
自分たちから、お客様と感謝や応援を伝えるような、コミュニケーションをとる |
ここでのコミュニケーションは、宣伝や一方的な情報発信ではなく、お客様への日頃の感謝を伝えたり、お客様を応援するようなコメントやシェアを行う。
また、自社のスタッフのアカウントでもシェアやコメントを行うことで、社員とお客様とのつながりも生まれやすくなります。
信頼できるプロフィールを作成する
知ってもらうために、信頼できるプロフィールは欠かせません。
そこで以下の点を参考に、自社のプロフィールを修正することをおすすめします。
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Facebook投稿で避けた方が良いこと
質より数の投稿は、避ける |
Facebookはフェイクニュースやネガティブな情報への対策から、「価値の低いコンテンツ」をなるべく除外するような動きが見られます。
ツイッターはリアルタイムのコミュニケーションを重視しているため、数多く投稿することが重要とされていますが、Facebookは「ユーザーにとって価値のある情報提供」「質の高いコミュニケーション」に重きを置いているため、ユーザーにとって価値が高い情報か、コンテンツの質が求められる傾向にあります。
コンテンツの質は、投稿者、投稿への反応、投稿のタイプ、投稿日時、の4つの軸で評価されています。
投稿者 | 誰が投稿したか、という評価軸です。そのユーザーとの関係性によって表示のされやすさが変化します。 友達や身近な人の投稿は表示がされやすくなっています。 友達や身近な人の関係性の強さは、そのユーザーの投稿への普段の「いいね!」や「コメント」「クリック」などで判断されています。 |
投稿への反応 | その投稿に対して、他のユーザーが多く反応しているかどうかの評価です。 いいね!やシェアのつき方、シェアのスピードで表示の優先順位が変化します。 |
投稿のタイプ | ユーザーが好む投稿のタイプであるかが判断されます。人が注目したり好む内容であるか。また、写真、動画など人の目を引きやすいコンテンツであるかも影響があります。 |
投稿時間 | 投稿されたタイミングの評価軸です。購入から投稿した時間が短いものほど表示されやすくなります。 |
Facebookで質の高い投稿を行うポイント
Facebookでフォローしてくれている
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投稿を見てもらいやすいタイミングに投稿する
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投稿の回数を見直す
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投稿のタイプを変えてみる
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ファンやユーザーに反応をする
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さらにリーチを増やす方法
ある程度ファンやいいねがされたら、さらにリーチを増やす方法として「広告」の活用も考えてみましょう。
Facebookはかなり詳細に広告設定ができるため、やみくもに多くの人に広告を打つのではなく、自分たちの商品やサービスを「価値あるもの」として必要としてくれる人物は誰かを考え、その方たちに届くように設定すると良いでしょう。
Webサイトへの集客としても活用する
Webサイトには大きな集客の力はありません。そのため「SNSを集客ツールとして活用して自社サイトへの訪問頻度を増やすこと」が欠かせません。
また投稿に、Webサイトのお知らせやコンテンツを活用すると、1からネタを探す必要もなく、お客様に役に立つ情報を作成できます。
活用例
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まとめ
どのSNSも、ユーザーにとって気持ちのいい体験が提供できなくては、サービスが続きません。そのため「使用者にとって快適なコミュニケーションとはどのような形か」がそれぞれの形で重視されています。
Facebookは「意味のある交流」を企業のミッションとして重視しているため、FaceBook活用に悩む企業は、まずは、ファンやこれからファンになってもらいたい人たちと、どのような人間関係を結んでいくのかを見直す必要があるのかもしれません。
投稿時間などのセオリーやノウハウは、調べると色々出てくると思います。
しかし、セオリーだけに頼り一方的な情報発信を続けても、SNSの仕組みが改善された時に、これまでと同じように情報が届かなくなる可能性もあります。
Facebookを広告的な情報発信の場ではなく、人と人との「意味ある交流の場」と捉え、ファンにとって望ましいコミュニケーションを行うことを意識し、活用をしてみてください。
Facebook活用のおさらい
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今回の記事の参考サイト
- 【保存版】Facebookをビジネスで活用するために運用担当者が読むべき記事56選
- こちらにまとめられている各ブログを参考にさせていただきました。最終更新が古い記事もあるため、現在の状況も確認しながら参考にしてください。
- SNSマーケティング担当者が抑えるべきTwitter、Instagram、Facebookの使い分け
- 各SNSの違いや特徴について、参考にさせていただきました。
- 注目ではなく「対話」の時代へ。 マーケター必見、主要SNSのアルゴリズムまとめ
- 現状のFacebookのアルゴリズムについての調査が掲載されています。
- Facebookの企業サイト
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