【無料テンプレートあり】プロジェクトの手戻りをなくす、アジェンダと議事録作成のコツ

【無料テンプレートあり】プロジェクトの手戻りをなくす、アジェンダと議事録作成のコツ

目次

今回はアドビさまのPR企画「みんなの資料作成」という企画に参加して記事を書いています。

私たちは創業から22年、700社1,000サイト以上のWebサイト制作プロジェクトを実行してきました。またHubSpotのプラチナパートナーとしてHubSpotを活用したデジタルマーケティング支援も行っており、現在進行形でさまざまなプロジェクトを推進しております。

そんな中、お客さまにお願いしている満足度調査アンケートで見えてきたことがあります。
それは、お客さまは最終的な成果物だけでなく「私たちのプロジェクトの進め方」を高く評価してくださっているということです。

以下は実際にお客様からいただいた満足度調査アンケート内の一文です。

  • 聞き取り能力情報の整理力が抜群
  • あとで見返したときに議事録が細かくわかりやすい
  • レスポンスの良さ、丁寧さがすごい

これらの評価を支えているのは、1,000サイト以上のプロジェクト進行の経験で培ってきた「ドキュメント作成力」であると自負しております。

皆さまのプロジェクトはドキュメントがしっかり作られていますか?実はプロジェクトは「ドキュメント」によって成否が変わるといっても過言ではありません。

本当?と思われるかもしれませんが、たとえばこの2つのドキュメントをご覧ください。

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この2つのドキュメントのうち、左の悪い例は「誤解を生む」「ゴールがぼやけている」といったトラブルを生み出しやすいです。
一度誤解を生んでしまうと、余計なコミュニケーションコストがかかります。またゴールがぼやけていると、せっかく完成したWebサイトからの成果も上がりません。

一方で右の良い例は、誰がどう見ても正しく情報が理解できるほか、何のために会議を行うかのゴールが解像度高く示されています。それによってすべてのメンバーが迷うことなく、プロジェクトを成功へ向けて推進できるのです。

というわけで今回は、プロジェクトをスムーズに進めるために欠かせない「アジェンダと議事録作成のコツ」をご紹介します。
プロジェクトの手戻りをなくしたい。と、日々お悩みのディレクター職の方はもちろん、アジェンダや議事録作成に自信が持てない、すべての方にとって本記事がお役に立てましたら幸いです。

記事の最後にはアジェンダの無料テンプレート(個人情報不要)も添付しております。ぜひ最後までご覧ください。

プロジェクト進行でよくある課題

本題に入る前にプロジェクトを進めているとよく直面する課題をみていきます。

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  • 最初に掲げたゴールがブレてしまう
  • 認識に齟齬がうまれている
  • クライアントとの合意形成に時間がかかる
  • プロジェクトメンバーが予定通りに動いてくれない

こういった課題は複数の原因のもとに発生します。そもそも自社でコントロールできる課題なのかどうか、規模感が組織レベルなのか、個人レベルなのかなど、さまざまです。

解決策はアジェンダと議事録にある

これらの課題解決を考えるにあたり、アジェンダと議事録は非常に重要だと言えます。
なぜアジェンダと議事録が重要なのか。それはほとんどのプロジェクトは会議の積み重ねで進んでいくからです。
アジェンダと議事録がうまく使えると、毎回の会議の目的やタスク(誰が何をいつまでに行うか)が明確になります。その結果、プロジェクトメンバーが共通の認識のもとに動くことができ、クライアントとの合意形成もスムーズに進みます
当然、「最初に掲げたゴールがブレる」というプロジェクト進行上、最悪の事態も避けられるのです。

優れたアジェンダと議事録は人を安心させる

たとえば私たちのクライアントは、慣れないWebサイト制作プロジェクトに対して、不安を抱えていることが多いです。
ですが、明確な会議アジェンダや議事録を提出することで、クライアントが状況をしっかり理解でき、プロジェクトに対して安心感を持ってもらえるというメリットがあります。

Webサイト制作というプロジェクトは多くの人が経験するものではありません。なぜなら多くの企業のホームページはそう頻繁に何度もリニューアルしないからです。試しに皆さまの周りの人に「Webサイト制作プロジェクトに携わったことはあるか」と聞いてみてください。きっと多くの方が経験されていないと思います。

ただでさえ慣れないお仕事であるにもかかわらず、決めなければならないことが多かったり専門的な言葉が使われたりすると、余計に担当の方は不安になるでしょう。
そうさせないためにも会議の目的やメンバーの役割分担、タスクの期限が明確化されたアジェンダや議事録が必要です。

これはWebサイト制作に限ったお話ではありません。クライアントと自社の情報の非対称性が大きいプロジェクトや、参加者の多いプロジェクト、長期にわたるプロジェクトを全員で協力しあって進めていくためにも、アジェンダと議事録には強い存在意義があります。

前置きが長くなりましたが、ここからはアジェンダと議事録の具体的な書き方やポイントをまとめていきます。

【アジェンダ編】プロジェクトがうまく進む書き方のコツ

アジェンダとは英語で「予定表」という意味であり、会議における役割は予定している議題や目的、流れの把握です。

アジェンダがしっかり書かれていないと、参加者は出たとこ勝負で会議に臨むしかありません。事前にアジェンダが共有されていれば、詳しい回答を用意できたにもかかわらず、その場で回答を考えることになり、結果的に限られた時間を無駄にしてしまいます。

アジェンダを参加者へ事前共有することで、参加者は議題に対して事前準備ができ、会議を効率的かつスムーズに進められます

この前提のもと、より良いアジェンダを書く5つのポイントをご紹介します。

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1. 会議の目的・ゴールを明確に書く

まずは会議の目的とゴールを明確にしましょう。
会議には必ず開く理由があります。

  • 何かを決める
  • 意見を交換する
  • 状況を確認する

これらの目的が定まっていないまま話を進めることは、ゴールのないマラソンを走るのと同じです。ただの徒労で終わりかねません。
参加者全員で目的を共有することで、仕事は前に進みます。

2.参加者の部署や役職もあわせて書く

アジェンダに参加者の名前を書くのはもちろんですが、あわせて所属部署や役職を書くことも重要です。

会議にはさまざまな属性の人が出席します。プロジェクトの途中から参加する人もいるでしょう。アジェンダに部署や役職を書くことで、会議の意図やその重要性がより明確になります。例えば取締役が複数人参加する会議であれば、プロジェクトにおいて重要な意思決定が行われる可能性が高いと予想できます。その上で想定問答を用意し、説明の準備をするだけでも、かなり有益な会議になります。

またこれは議事録にも繋がる話ですが、その議論が誰によって行われているか把握する上で部署や役職の記載は重要です。例えば「〇〇についてはよく検討する必要がある」という発言を、社長がしたのか一般社員がしたのかではその課題感は大きく変わります。

小さな工夫ですが、部署や役職の記載があるだけで会議の質は大きく向上します。

3.議題はタイトルだけでなく、意図や流れも書く

アジェンダに書く議題はタイトルだけではなく、簡単に開催意図や進行の流れも書いておくといいでしょう。

例えば議題が「トップページのデザイン確認」だとします。これだけでは誰が何を確認するのか、どのような順番で議論が進むのかわかりません。

私たちが作るアジェンダでは議題の下に簡単な補記文を添えます
上記の例でいえば「トップページのデザインを制作しましたので、制作意図やポイントをJBNから説明します。その後〇〇様にデザインの良い点と気になる点をお伺いします」と書き足すことで、クライアントは「自分はデザインの良い点と、気になる点を言えばいいんだな」と事前に心構えができます。

アジェンダは”布石”です。出たとこ勝負を極力なくし、参加者が安心して会議に参加できるようにしましょう。

4.プロジェクトの全体スケジュールを書く

私たちが作るアジェンダには、必ずプロジェクトの全体スケジュールを記載します。実際のスケジュール管理は別の場所で行いますが、アジェンダでも常に確認できるようにしています。

理由は、毎回会議に参加できない人のために、プロジェクトの全体像と現在地を示すためです。そうすることで参加者は「この会議はこの工程の話をしているんだな」と、その会議が何のために行われているのか把握しやすくなります。

またスケジュールが書いてあることで、プロジェクトメンバーの視野を広くするきっかけにもなります
会議はどうしても近視眼的になりがちです。それはそれで構わないのですが、状況によってはプロジェクト全体を俯瞰で見る必要もあります。

常に全体スケジュールに立ち返れるようにしておくことで、プロジェクトが予定通り進んでいるのか、遅れているのかを都度把握できます。結果的に全体最適化された意思決定が行えます。

5.次回会議について書くスペースを用意しておく

会議は開催すること自体がゴールになりがちです。懸命に準備し、議論することに満足してしまい、次回の日程と開催場所を決めずに終えてしまった。ネクストアクションが決まっていないので、プロジェクトの進捗も悪くなり、ズルズルと後ろ倒しになってしまう。こんなケースは決して少なくありません。

必ずその場で次回の日程と開催場所を決めるためにも、アジェンダには必ず記入欄を設けておきましょう。

【議事録編】プロジェクトがうまく進む書き方のコツ

アジェンダを作り、会議を開いた後は議事録を作る必要があります。
なぜなら人は忘れる生き物だからです。会議を終えたその瞬間は記憶が鮮明でも、次の日にはほとんど覚えていません。

会議は、会議中と終了直後が一番テンションもモチベーションも高いです。それらを維持するためにも、議事録はわかりやすく漏れなく残すと良いでしょう。

議事録を書くときのポイントは4つあります。

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1.発言者を明確に書く

アジェンダ編でも書きましたが、議事録に参加者の発言を残す時に「誰の言葉」か明確にすることは非常に重要です。必ず内容とあわせて発言者の名前も記載しましょう。

発言者を明確にするメリットとして、議事録に発言者の名前が残る=参加者は自身の発言に、より責任を持つようになります。誤解のないように書いておきますが、発言者の名前を残すことでプロジェクトをコントロールする、といった類の話では一切ありません。

私たちが目指しているのはプロジェクトの円滑な進行と、それに伴う納品物のクオリティ向上です。そのためにはメンバー全員がプロジェクトを自分ゴト化することが大切です。当事者意識を高めるためにも、ポジティブな考えのもとで記録していくべきだと考えています。

2.会議で決まったことを書く

よくある惜しい例として、議事録がただの発言記録になっていることがあります。もちろん発言の内容を残すことも必要ですが、もっと大切なのはその会議で何が決まったのかを明確にすることだと私たちは考えています。

なぜならプロジェクトは決定事項の積み重ねで前に進むからです。Webサイト制作でいえば戦略が決まらないとワイヤーフレーム(サイトの設計図)は作れませんし、ワイヤーフレームが決まらないとデザイン制作に入れません。

決まった事案を記録として残しておかないと、プロジェクトが前に進まないだけでなく、後日「あの件はどうなったのか?」と巻き戻しも発生してしまいます。

円滑でスムーズなプロジェクト進行において、会議で決まったことを議事録に残す意義は大きいでしょう。

3.決まらなかったこと(保留になったもの)も書く

先ほど会議で決まった内容を書くことの大切さに触れましたが、同じくらい大切なのは決まらなかったこと(保留になったもの)を書き残すことです。

モノゴトが決まらないことには必ず理由があります。検討するだけの材料が足りなかったのかもしれませんし、意思決定者が不在だったのかもしれません。
いずれにせよ、どこかのタイミングで決めなければならない時が必ずきます。

決まらなかったことを先送りにしたい気持ち(面倒、億劫)は誰しもが抱いてしまうと思います。ただこれらを溜めた結果、あとで苦労するのはクライアントをはじめとしたプロジェクトメンバーです。

決まらなかった内容とその理由、決めるためのアクションをいつまでに誰がとるのかを明確にする。ここまでやり切れるとプロジェクトの推進力はより一層高まるでしょう。

4.各社の宿題は内容と担当者、期限まで書き切る

議事録には次の会議までの宿題を書くことが多いです。ここで大切なのはただ宿題の内容を書くだけでなく、担当者と期限まで書き切ることです。

この話は、単に議事録の書き方だけでなく、今後のプロジェクト進捗にも影響します。
なぜなら、会議で次のアクションをいかに明確にできるかによって、その後のプロジェクト全体の進み方が変わるからです。
明確になる要素は”人”と”期限”です。逆にこの2つが決まっていないと宿題はいつまでも宙ぶらりんの状態になります。

いい議事録はいいアクションを生み出す。そんなふうに考えるとプロジェクトにおける議事録作成の意義を感じられるのではないでしょうか。

アジェンダと議事録はPDFに変換して利用する

アジェンダと議事録に限らず、クライアントに何かしらのデータを共有する際は、PDFに変換しておくことを推奨します。
理由については後ほど詳しく解説しますが、そのPDFを扱う際に便利なのが、「Adobe Acrobat オンラインツール
以降は、Adobe Acrobat オンラインツールのご紹介と合わせて、PDFを推奨する理由について、解説していきます。

納品が安全かつ便利

アジェンダや議事録は共有方法が大切です。誰でも、いつでも、どこでも見られる状態で共有しなければなりません。共有方法としてはPDFを利用する機会が多いでしょう。

PDFが便利な理由はいくつかありますが、その1つにセキュリティ上の理由があります。私たちのお客さまの中にもクラウド型のツールをセキュリティ上の理由で使用NGとしている方々がいらっしゃいます。そういったお客さまもPDFであればやり取り可能なケースも多いです。

さらに内容によっては機密情報がある場合もあります。Acrobat オンラインツールであればPDFにパスワードを設定(暗号化)できます。安全性の高いコミュニケーションを実現してくれるところは大きなメリットでしょう。

またPDFに変換して納品することでクライアント側のOSや利用端末にかかわらず、同じ見た目を担保できます。ネットの繋がらない飛行機や新幹線でもチェック可能です。
ファイルサイズの圧縮も簡単に行えるのでメールやチャットでのやり取りもスムーズに行えます。

コメントによる編集や、直感的な書き込みができる

Adobe Acrobat オンラインツールには編集機能があります。プロジェクトメンバー同士でコメントを入れたり、フリーハンドでの書き込みを行うことができます
これは「認識のすり合わせ」をおこなう上で非常に便利です。

作成したアジェンダや議事録を全員で良いものに作り上げていく、誤りや認識に齟齬がないかを確認しあう。こういったプロセスは非常に重要であり、Acrobat オンラインツールを採用する大きな理由の1つです。

まとめ

アジェンダと議事録の書き方はプロジェクトの成否に大きく関わると私たちは考えています。特にWebサイト制作のような長期にわたるプロジェクトを推進するためには毎回の会議が勝負になります。その場で何が決まったのか、決まらなかったのかを全員の共通認識としなければ、必ずどこかで認識の齟齬や手戻りが発生します。

ご紹介した書くためのポイントの一つひとつは決して難しいものではありません。誰にでも再現できるはずです。少なくとも私たちはこれらのコツを意識して、22年で700社、1,000以上のWebサイトを作ってきました。

この記事が皆さまの今後のプロジェクト進行において、1つでもお役立ていただけたら幸いです。

今日から使えるアジェンダの無料テンプレート

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最後に今日から使える無料テンプレートとして、私たちが使っているアジェンダのテンプレートのダウンロードリンクを貼っておきます(個人情報不要)。
クリックするとGoogleドキュメントが開きます。ぜひご活用くださいませ。

テンプレートの使い方

参考までに私たちがこのアジェンダのテンプレートをどのように活用しているかご紹介します。

まずは会議前に記入できる情報を書きます。基本は以下の部分です。

  • 開催日時
  • 参加者
  • お打ち合わせの目的・ゴール
  • 議題
  • スケジュール

会議終了後はこのドキュメントに追記し、議事録として提出しています(追記したことがわかるように字の色を変えます)。
追記する箇所ですが、最初は用意した議題に対してです。例えば確認項目に対するクライアントからの返答内容や特筆すべき懸念事項などは情報として残しています。
あとはアジェンダで空欄だった以下の項目を追記します(会議の内容次第では空欄のまま)。

  • 次回お打ち合わせ日程
  • 本会議で決まったこと
  • 本会議で決まらなかったこと
  • 各社の宿題

このように1つのドキュメントをアジェンダ→議事録として活用しています。次の会議のアジェンダは前の議事録を複製し作成するメンバーもおります。
運用方法に正解はありませんが、皆さまのドキュメント作成の参考になれば幸いです。

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