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【コラム2】蚊帳(かや)とインターネット

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もう20年以上前に聞いた実話(たぶん)です。
たしか東海地方のどこかだと記憶していますが、蚊帳(これを知らない人は調べてください)の製造メーカーがあり、時代遅れのこの商品は販売が先細る一方で、事業の行く末は暗いものでした。
当時はインターネットの普及が始まったタイミングだったので、ダメ元でホームページを立ち上げたところ全国から注文が殺到したという話です。
ネットが浸透した今日、なにを今さらわかりきった事をと笑われるのを承知で説明すると、時間も空間も飛び越えるインターネットの特性によって、単位人口当たりの需要が少ないニッチな商品でもネットが日本全国に商圏を広げたことで成り立ってしまったという事例です。
もちろんこの話が、20年たった今もそのまま通用するとは限りませんし、この蚊帳も売れ続けているのかどうかもわかりません。
今では世の中のあらゆるサービス・商品が競ってネットによる情報発信(自己主張)をするようになった結果、情報は溢れかえり届かなくなる一方です。しかし、当時と比べインターネットの本質的な特性が変化したわけではありません。
この世界のどこかに、このサービスの情報を欲している人がいると信じるのならば、届ける努力をせずに、他に何を優先するのでしょうか。
もし情報を欲している人の存在を信じられないなら、そのサービス自体の存在意義が問われます。「届ける努力」の厳しさは承知のうえですが、それでもなお「信じて、どうやったら届くのか、その方法を模索し続ける」という姿勢をぐらつかせてはならないのだと思います。
20年前と比べ、SNSやCRMを活用するWebマーケティング手法など、その選択肢は増えてきています。
執筆者:JBN塚原