段階的なWeb活用で、従来型の営業手法をチェンジ
目次
ツールを導入したが社内変革が進まない…
従来型の営業手法による成功体験が「Webを活用した社内変革」にブレーキをかけてしまうことがあります。営業のデジタル化をサポートするツールを導入したものの、なかなか変革が進まない…とお悩みの企業様は多いのではないでしょうか。
このページでは段階的に社内理解を浸透させながら、着実にHubSpotを導入を進めてきた企業事例をご紹介します。
企業モデル
- 長野県内B社(非上場)
- 業種 土木建設用資材メーカー
- 従業員数 85名
- マーケット 日本国内の土木コンサル、官公庁、建築会社、設計会社。海外販売なし
- 国内ブロックごとに営業所があり、エリア担当(たとえば東北ブロックに一人)がテレアポ・訪問を中心とするリアル営業をしていた
- 本社では重点的な商品などの方針や目標までは示されるが、実際の顧客アプローチは概ね営業所の裁量に委ねられていた
成功事例の概要
- 経験・勘に頼った従来型の営業スタイルからの脱皮をめざす
- HubSpotを導入し、段階的にWebを活用した営業スタイルへの転換を進めた
- 旧来の体質(成功体験があるゆえに)は簡単には変わらないが、成果とともに徐々に社内の理解者が増えている
JBNがご対応したメニュー
- 顧客目線のコンテンツを強化したWeb制作
- HubSpotの導入支援
- サイト公開後のWeb活用支援
課題(Web活用の支援前)
- Web対応の遅れによる相対的な競争力の低下がじわじわと顕在化してきた
- 営業活動の非効率化も課題。担当エリアが広いために、顧客や見込み客に提供すべき情報が、過不足なく伝わっているか実態がつかめない状態が続いていた
支援の概要
ステップ1 顧客目線のコンテンツに全面見直し
コンテンツマーケティングと顧客情報の獲得
- Webサイトを刷新。コンテンツを重視した設計に全面的にリニューアル
- 顧客・見込み客が必要とする情報は何かを徹底的に検討し、コンテンツ作成方針を策定
- 方針に沿ったコンテンツの追加を継続的に追加
- 製品を導入すると、顧客にどのようなメリットが生まれるのか、顧客目線で記事化
- ユーザーからの問い合わせを逐一検討し、できるだけコンテンツ化することで「顧客が必要とする情報」の充実化をはかった
- 記事を読んで終わりではなく、顧客情報を獲得するための設計を施した(製品の設計図面をダウンロード)
ステップ1の成果
- 数百件レベルの設計図面ダウンロードが発生
- 自社製品に関心がある見込み客の情報が潤沢に集まる様になった
- その情報が営業部にフィードバックされ、案件化しやすい見込み客を見つけやすくなった
ステップ2 コンテンツを顧客に能動的に届けるメールマーケティング
成果をきっかけにWeb活用が営業部に浸透しはじめる
- ステップ1の成果を受け、その翌年からより能動的なWeb活用に踏み出した(Webサイトに訪れる人を待つだけでなく、積極的に見込み客に対して情報を届ける取り組み)
- HubSpotを導入し、メールの定期配信(メールマーケティング)を開始
- メールの内容は必ずWebサイトに蓄積した関連コンテンツと紐づいており、メールで興味をもったユーザーがリンクからWebサイトに訪れる仕組み
- HubSpotの仕組みにより、「メールを開封した顧客」「メールからサイトに訪れた顧客」が判明できる
- テーマ毎にメールを配信することで「テーマAに関心を示した顧客群」「テーマBに関心を示した顧客群」がデータとして取れるようになり、営業活動に反映できるようになる
- この取り組みを本当に理解したメンバーに絞ってメルマガ発行体制を作ったところ2人だけだった
ステップ2の成果
- まずは2人体制で、テーマを厳選した上で毎月1回メールを配信
- その結果、スタート時1,800人だった読者(コンタクト)が、半年後には2,700人に増加
- メールの開封率は25%前後、クリック率は5〜10%前後
- この成果を間近に見ている営業部員の中から理解者が増え、半年後には4名+部長という体制でメールの配信を続けている
- 定例のメール配信とは別に、集積された顧客情報の中から、自身の担当顧客に向けて独自の情報メールを200通配信する営業担当者が現れてきた
- ただし、本格的なメールマーケティングはこの成果の全体像を把握し、全社的に取り組める体制を作る必要がある(現在の課題)
ステップ3 今後の課題「CRMの本格活用とSFAの導入」
ステップ2を経て、営業におけるWeb活用で次の点が社内で認識されてきました。
- 営業活動の上流部分(芽出しと継続的な接触)についてWebを活用すると成果に結びつきそうだ
- なにより「活動を継続すること」がWeb活用では重要である(コンテンツ追加も、メール配信も)
Webが、「組織全体の営業力をより力強くアップデートするための有効なツール」として社内で認識されてくれば、あとはHubSpotによるWebの活用と日常的な活動をどのようにリンクさせていくかという業務設計が当面の課題になります。その業務設計の必要性が生まれたときこそが「CRM・SFAをどのように組み込んでいくのか?」の協議を始めるタイミングです。
簡単な仕事ではありませんが、ステップ2までに達成した社内認識の共有と方向性の合意さえあれば立ち上げることができるはず、というのが関係者の共通見解です。
まとめ
リアルな営業活動でそれなりの成功体験を積み上げてきた組織においては、Webを活用した事業構造への転換が難しくなるケースがあります。営業結果に問題がなければ無理にWebに頼る必要はありませんが、当事例がそうであるように今の経営環境はそれを許してくれません。
こうした場合、〝あるべき論〟を繰り返してもなかなか前に進みません。組織が人で構成されている以上、「理解の浸透」が前提として必要です。当時例は「① Webの活用を分解し、② 段階的に進めることで ③ 組織全体のWebに対する理解も段階的に浸透させられる」というケーススタディとして有効です。「HubSpotを導入したが社内変革が進まない…」とお悩みの企業様はぜひお試しください。