BtoBビジネスにおけるインバウンドマーケティングとは?

目次
今回は、BtoBビジネスにおいて、インバウンドマーケティングがどのような役割を持っているのかを基礎知識やインバウンドマーケティングを実施するためのプラットフォームの紹介とともに解説していきます。
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BtoBビジネスと相性が良いインバウンドマーケティングとは?
インバウンドマーケティングは、企業がユーザーを支援しながら、1対1の有意義な関係を築くことを重視するマーケティング手法です。
ユーザーが求めている情報を企業側が提供することで、ユーザーの方から自社サイトを見つけてもらい、ユーザーの行動や、自社製品やサービスの購入までの意思決定の段階に応じて、定期的にコミュニケーションをとりながら信頼関係を築きます。
BtoBビジネスでは、対象となるユーザーは企業であり、企業の成長や価値の向上に必要か、社内でさまざまな協議を行い、段階を経て購入を決めます。そのため、購入までの意思決定の段階に応じたコミュニケーション設計がしやすいという特徴があります。
継続的なコミュニケーションにより信頼関係を築くことで集客をするインバウンドマーケティングはBtoBビジネスに適した手法です。
BtoBビジネスでインバウンドが注目され始めた理由
インバウンドマーケティングが普及する以前は、BtoBビジネスでは営業担当者がリストをもとに電話をかけ、アポイントをとり、商談に繋げるという、企業側から一方的にアプローチするアウトバウンドマーケティングが主流でした。
しかし近年のIT技術の発達により、ユーザーは自社のビジネスに必要な製品やサービスに関する情報を、インターネット上でいつでも調べられるようになりました。メリットやデメリット、競合他社の情報など、さまざまな情報をもとに社内で比較、検討できるようになったことで、企業側から一方的に情報を発信するよりも、ユーザーが求めている情報を提供し、自社を見つけてもらうことの重要性が高まり、インバウンドマーケティングが注目されるようになりました。
インバウンドマーケティングのメリット
ユーザーに寄り添ったコンテンツで信頼関係を築くことができる
ユーザーの役に立つ有益なコンテンツの提供を目的としているインバウンドマーケティングでは、企業側からの一方的な売り込みを行わないのでユーザーに受け入れてもらいやすく、信頼関係を築いて自社のファンを増やし、リピート率の向上やクチコミからの顧客獲得につながります。
マーケティング資産が蓄積する
広告は掲載をやめると流入がストップしてしまいますが、ブログなどのコンテンツはインターネット上に半永久的に存在し、資産として積み重ねられていきます。また、一度コンテンツを作成すれば継続的な費用はかからず、運用を続けていけばユーザーが増えていくので費用対効果も高いです。
顧客データが活用できる
インターネット上での顧客の年齢層や行動パターンが把握できます。そのデータを元に集客や売上に結びつくマーケティング戦略を考えることができます。
インバウンドマーケティングのデメリット(注意するべきこと)
効果が出るまでに時間がかかる(ユーザーに見つけてもらうまでに時間がかかる)
インバウンドマーケティングはユーザーに自社サイトを見つけてもらう必要があるため、テレビCMや新聞など、多くのユーザーに一気に訴求できる手法と比べ、認知してもらうまでに時間がかかる場合があります。
運用していく手間がかかる
ユーザーに自社サイトを見続けてもらうには、定期的な情報発信やコンテンツ改善が必要になるため、運用し続ける手間がかかります。
BtoBビジネス向けインバウンドマーケティングの手法
BtoBビジネス向けに行われているインバウンドマーケティングは、主に以下の3つの手法で行い、問い合わせにつなげます。
既存顧客に有益な情報をメールで届ける
国内のBtoBビジネスでは、問い合わせの多くが既存顧客からのものです。
既存の顧客情報をもとに、購入後に発生する困りごとをサポートする記事など、顧客にとって有益な情報をEメールで届けることで購買意欲を育て、新たな問い合わせにつなげます。自社の製品やサービスを利用したあとも、定期的にコミュニケーションをとり続けることで、信頼関係を継続していきます。
ブログコンテンツで集客する
ユーザーにとって有益な情報をブログ内で発信し続けることによって、ユーザーからの信頼を獲得できます。専門性の高い記事がブログ内に蓄積していくと、ユーザーが繰り返し自社サイトに訪れてくれるようになります。ブログ内に問い合わせフォームやダウンロードコンテンツを設置し、そこから得たユーザー情報をもとに、コミュニケーションをとることで、購買意欲を育て、問い合わせにつなげます。
新規サービスを開始する場合などで、ブログコンテンツによる集客をすると、より効果的です。
展示会イベント参加者に有益な情報を届ける
展示会を行い、名刺交換をしたとしても、必ずしも自社に対して興味・関心のあるユーザーとは限りません。そこで、名刺から得た情報をもとに見込み度や関心度の低いユーザーに、有益なコンテンツを定期的に提供することで、徐々に関心を持ってもらい、自社との関係性を築いて問い合わせにつなげます。
インバウンドマーケティングの実施に必要なマーケティングプラットフォーム
インバウンドマーケティングを効果的に実施するためには、webサイト、CRMツール・マーケティングオートメーションツールを活用する必要があります。
マーケティング活動を行うための機能をもったWebサイト
ユーザーは検索エンジンやSNSを通じて自社のwebサイトを訪問します。あらゆる場面でwebサイトはユーザーのニーズに応えるものでなければなりません。
自社の製品やサービスを認知しているユーザーだけでなく、まだ自社のことを知らないユーザーにも気づいてもらうことが大切です。そのためにも、webサイトはユーザー側の視点でコンテンツを作成し、ユーザーが使うキーワードに対してSEOを行うことが重要です。
ユーザーの課題解決に役立つコンテンツによって、継続してWebサイトを運用していくことで、課題を抱えたユーザーが自然と集まります。
顧客管理のためのCRMツール
CRMとは顧客情報を一括で管理できるツールです。
ユーザーの名前や所属企業などの情報や、インターネット上の行動データをCRMに蓄積し、管理することで、ユーザーの属性や行動に合わせた、最適なアクションを判別できます。
効果測定を行えるマーケティングオートメーションツール
見込み客となるユーザーの集客から、購買活動のプロセスを自動化するツールです。一人ひとりの属性や行動データをもとに、どのような情報を望んでいるのかを把握し、最適なタイミングで自動的に情報提供を行います。
メールの開封率やURLのクリック数など、アクションの効果を可視化できるため、今後の戦略を立てるのに役立ちます。
インバウンドマーケティングは、機能が一式揃ったHubSpotで
HubSpotには、CRM機能・ブログ作成機能・マーケティングメール機能・ランディングページ作成機能・レポート作成機能・マーケティングオートメーション・ソーシャル連携機能といった、インバウンドマーケティングを行うために必要な機能が揃っています。
CRM機能
ユーザーの会社用Eメールアドレスを手作業で入力するか、受信トレイやフォームの回答から直接、新しいコンタクトを登録します。すると、HubSpot CRMが自動的に関連する会社レコードを作成し、登録件数2000万社を超えるHubSpotのデータベースから売上高、業種、ユーザーの詳細情報などの情報を取得して両方のレコードに追加します。
また、Eメールの送信、電話の発信と記録、メモの作成、セールス活動の記録、タスクの割り当て、ミーティングのスケジュール設定、新しい取引の追加といった操作が簡単に実行できます。
ブログ作成機能
質の良いブログ記事は、web検索やSNSを通じて読者を獲得することができます。
HubSpotのブログエディターでは直接下書きができ、画像の挿入やヘッダーの書式設定、リンクの追加といった操作も簡単に行えます。複数のユーザーでの共同編集もできるため、スムーズな作成が可能です。
ブログ記事を作成できるだけでなく、画面上に表示されるSEOの推奨事項を参考にすることで、検索エンジンへの最適化にも対応できます。
マーケティングメール作成機能
簡単に操作できるEメール機能を使ってスムーズにEメールを作成することができます。既成のテンプレートだけでなく、レイアウトを詳細にカスタマイズすることもできます。
また、CRMに蓄積されたユーザー情報を活用し、ユーザーに応じて適切なタイミングでEメールを送信することもできます。
Eメールの送信だけでなく、webサイトページや、SNSなどのマーケティング活動の分析と結び付けることで、送信したEメールが効果的に見込み客の創出とコンバージョンに活用できているかを経時的に確認できます。
ランディングページ作成機能
デバイスごとの最適なレイアウトで表示されるランディングページを作成できます。記入しやすいフォームをクリック1つで追加できる機能や、CRM上のコンタクト情報に基づいて、ユーザー一人ひとりに合わせたコンテンツを動的に調整する機能も実装されています。
レポート機能
さまざまなマーケティング活動の効果を測定して、今後の戦略に繋げられるデータを得ることができる機能です。
ウェブサイト、Eメール、ブログ、ソーシャルメディアといったチャネル別に状態を確認できる、使いやすいレポートがあらかじめ用意されています。各種データを集約できるダッシュボードにレポートを追加することで、全体像を把握することができます。
また、CRMに格納されたユーザー、企業、取引、マーケティングイベントなどのデータを一元管理し、実施した施策がユーザーの行動にどのような影響を与えているかをさまざまな粒度で確認できます。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションを使用することで、リアルタイムのユーザーデータに基づくアクションを自動的にとることができます。
作成したEメールに、トリガー・条件・アクションを選択し、対象となるユーザーに合わせて、適切なEメールを最適なタイミングで送信することが可能です。また、それぞれの業務での目標を設定できるので、Eメールキャンペーンの進捗状況や成果をいつでも確認できます。
ソーシャル連携機能
SNSでの自社に関する発言や会話をモニタリングして、エンゲージメントを自動的に追跡できます。また、SNSアカウントとブログを連携することで、新しいコンテンツの投稿時に自動でSNS上にシェアされます。
ターゲットの目に留まるタイミングで配信できるように、ソーシャルメディアへの投稿を予約することも可能です。
まとめ
今回はBtoB企業におけるインバウンドマーケティングの基礎知識や実施するためのプラットフォームについて紹介しました。一人ひとりのユーザーに適切なタイミングで課題解決につながる情報を提供して、信頼関係を築いていきましょう。