Webサイトを運営する際に、CTAの設置はコンバージョンにつながる有効な施策の一つです。ですが、CTAが適切に設置できていなければ、ユーザーはWebサイトを離脱してしまいます。
今回は、ユーザーの行動や感情を読み解くために必要なペルソナ作成とバイヤージャーニーの策定を用いて、最適なCTAを設置するための考え方について解説します。
CTAとは?
CTAとは、Call To Actionの略称で、「行動喚起」という意味です。
自社のWebサイトを訪れたユーザーに次の行動をとってもらうよう促すための仕掛けであり、購入やお問い合わせ、詳細ページへの誘導など、様々な行動を促すために、テキストやボタンを用いて要所要所に設置します。BtoC企業は主にユーザーを販売プロセスに導くために、高額商材を扱うことが多いBtoB企業は、主に見込み客の獲得を目的としてCTAを設置します。
ユーザーの行動を促すCTAを設置するためには?
ユーザーは必ず何らかの目的を持ってWebサイトを訪れます。訪れたページに設置したCTAがコンテンツに適していなかったり、望んでいた情報でない場合、ユーザーはWebサイトを離脱してしまいます。Webサイトの役割は、ユーザーの目的を果たすコンテンツを提供することです。そのためにも、CTAを設置してユーザーに適切な情報へ誘導する必要があります。
Webサイトを訪れたユーザーがすぐに製品やサービスを購入したいといった緊急度の高い場合は、「今すぐ購入」や「今すぐ登録」などの言葉で後押しするのを重視することで、行動を促すことができますが、情報収集を行っている途中や検討中といった緊急度の低いユーザーの場合は、すぐに購入や登録を促しても、具体的な行動に誘導できないことが多いです。
それよりもまず先に、課題の可視化や解決策の提示といった、行動を促すための前提となる情報提供をする必要があります。
このように、Webサイトを訪れるユーザーのニーズはさまざまであるため、ユーザーへ次の行動を促すためのCTAを設置するためには、ユーザーの感情や行動をきちんと理解することが必要になります。
そんな時に役立つのがペルソナ設定と、バイヤージャーニーの策定です。
ペルソナとは?
ペルソナとは自社の製品やサービスを利用している、自社にとって「理想的な顧客の人物像」のことです。
年齢や性別、職業などの客観的な事実に基づく「デモグラフィック情報」に加えて、性格や趣味、価値観、ライフスタイルなどの、心理的な情報に基づく「サイコグラフィック情報」を、詳細なリサーチをもとに設定します。
「関東に住む30代女性会社員」などのざっくりとしたまとまりであるターゲットとは異なり、ペルソナは、人格を持った実在するひとりの人物として、誰もが具体的な1人の人物をイメージできるまで詳しく、そして名前をつけて設定したものです。
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ペルソナを設定することは、自社の顧客について深く理解することにつながるため、どのようなコンテンツを提供すればよいのか、そのコンテンツに対応するCTAはなにかを判断するために役立ちます。
バイジャージャーニーとは?
バイヤージャーニーとは、ユーザーが自社の製品やサービスを認識してから、購入に至るまでにとる行動や感情の変化を時間軸に沿って明らかにし、自社の製品やサービスを購入する意思決定までのストーリーを可視化することで、顧客の購買行動を理解するために用いられます。
ユーザーに問題や課題が生まれ、解決のために製品やサービスについての比較検討を行い、解決策を決定するというように、バイヤージャーニーは「認識段階」「比較検討段階」「決定段階」という3つの段階に分けて考えます。
それぞれの段階におけるユーザーの意思決定に関わる行動や、感情を整理することで、購買行動の背景にある心理を読み解くことができ、ユーザーが求めている情報をその時の感情や行動に合わせて用意できるので、コンバージョンにつながる行動を促すことができます。
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例えば、ユーザーの各段階に応じて提供する情報には以下のようなものがあります。
認識段階で提供する情報の例
認識段階に最適なコンテンツは、疑問に対する回答や参考資料や調査データのほか、ユーザー自身の課題を正しく特定するうえで役に⽴つようなヒントを含むものを提供します。たとえば、情報提供⽤のブログなどが挙げられます。
そして、対応するCTAの例として、ブログの訪問者に読者登録を促すボタンがあります。ボタンを押したユーザーは、新しい記事がブログに投稿されると、その都度通知を受け取るようになり、次の行動を起こすきっかけにつながります。
比較検討段階で提供する情報の例
比較検討段階のユーザーは、自身の問題や課題を特定し、その解決に向けて動き始めています。そして、そのために役⽴つさまざまな⼿段やアプローチを検討している段階です。検討ステージに最適なコンテンツは、ホワイトペーパーやE-book、導⼊事例など、問題や課題を解決するために使われている⼿法や戦略を判断しやすくなる情報を提供します。
そして、対応するCTAには、情報提供を⽬的としたウェビナーへの参加を促す登録ボタンなどがあります。
決定段階で提供する情報の例
決定段階のユーザーは、様々な製品やサービスの比較検討をして、どんな解決策を選ぶのかがすでに決まっています。たとえば、解決策の長所と短所をリストアップして、⾃分のニーズに適しているものを選べる状態にあります。
決定段階に最適なコンテンツは、製品やサービスのデモやトライアル、よくある質問を集めたページ、無料相談サービスなど、⾃社の製品やサービスがユーザーのニーズに適しているかどうかの判断をサポートするようなコンテンツを提供します。
そして、対応するCTAの例として、製品紹介ページに設置する問い合わせボタンが挙げられます。オンライン面談やウェブチャットなどを通じて担当者とコンタクトをとるといった行動を促します。
以上のように、自社のペルソナと、バイヤージャーニーを策定することで、ユーザーの感情や行動に合わせたコンテンツとそれに対応するCTAを設置することが可能になり、次の行動を促すことができます。
自由度の高いCTAを作成するならHubSpot
誰でも簡単に作成できる
専門的な知識を必要とせず、シンプルな手順で誰でも簡単にCTAを作成することができます。また、独自にカスタムしたボタンのデザインや、画像を使用したCTAも簡単にアップロードすることができるので、ユーザーに最適なCTAを幅広く作成可能です。
そして用意したCTAはWebページ、ランディングページ、ブログ記事、Eメールに簡単に挿入できます。
※CTA作成画面
ユーザーに応じてCTAを出し分けられる
HubSpotに登録されているユーザーの属性や行動情報を活用して、それぞれに適したCTAを動的に表示させることができます。
また、登録されていないユーザーであっても、所在地や使用デバイス、ユーザーがウェブサイトを見つけた方法にもとづくリファーラルソース、言語設定といった情報をもとに、最適なCTAを表示させることができるので、ユーザーと関連性の高いCTAを設置することができます。
※スマートCTAルール設定画面
設置したCTAの効果を検証できる
CTAを1つのダッシュボードでまとめて管理できるだけでなく、全ページのCTAごとにビュー数、クリック数、コンバージョン率を確認できるので、正確なデータに基づいて最適なCTAを判断できます。
また、A/Bテスト機能を使用すると、特定のCTAについて複数のバージョンを用意してテストでき、さまざまなキャッチコピーやデザイン、リンクを試して、最も効果的なCTAを見極めることができます。
※CTAの効果検証画面
まとめ
ユーザーの状況に応じて最適なCTAを設置するための方法について解説しました。
CTAを設置する際は、ボタンデザインやテキストの最適化といった手法の部分にとらわれがちですが、一度、基本であるペルソナやバイヤージャーニーの策定に立ち戻ってユーザーの感情や行動を考え、理解することが大切です。
JBNでは、HubSpotを導入したマーケティング活動を支援しています。CTAの最適化に関するご相談がある方はぜひお気軽にお問合せください。