アトリビューションレポート

アトリビューションレポート

目次

対象:Marketing Hub Professional・Enterprise、Content Hub Professional・Enterprise

アトリビューションとは?

アトリビューションは、「成果(コンバージョン)に、どの接点がどれくらい関わったかを考える仕組み」です。

よくある流れ

1.広告をクリック

2.ブログ記事を読む

3.メールを受け取る

4.資料をダウンロード

5.問い合わせ

マーケティングでは、「最後にクリックされたチャネル(広告・フォームなど)」だけが評価されがちですが、実際にはその前に見たブログ記事やSNSなども大きな役割を果たしています。

どれが成果に貢献したのか、”目に見えにくい貢献”を可視化するのが、アトリビューションレポートの役割です。

「コンタクト作成」と「収益」アトリビューションの違い

HubSpotでは、どの成果をゴールとして分析するかによって、次の3種類のアトリビューションレポートを使い分けます。

  • コンタクト作成: 「どうやってリードになったか?」を分析(マーケ向け)

  • 取引:「どういう接点を経て商談(取引)が作られたか」を分析(マーケ・営業どちらにも有効)

  • 収益:「どうやって受注(売上)したか?」を分析(マーケ&営業向け)

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アトリビューションレポートの役割

×よくある誤解

どの施策が一番すごいかを決めるレポート

○正しい考え方

成果に至るまでの流れを、構造として理解するレポート

アトリビューションレポートは「配分」形式でレポートされる

HubSpotのアトリビューションでは、

  • ページ閲覧

  • フォーム

  • メール

  • 広告

  • CTA

などのインタラクションに対して、1つの成果(100%)をどう割るかを計算しています。
(※すべての行動が必ず対象になるわけではなく、トラッキングや設定状況によって取得可否が決まります)

アトリビューションレポートが配分形式なのは、コンバージョンが「1つの原因」で起きることがほぼ無いからです。

この成果に、どれくらい貢献したかの割合」を測定できるのがアトリビューションレポートの特徴です。

例:コンバージョン=100点
  • 問い合わせ:1件

  • 受注:1件

これを 100点(=100%)の成果と考えます。アトリビューションは、「この100点を」「どの接点に」「どれくらい割り振るか?」を決める仕組みになります。

つまり、アトリビューションレポートを見た時に、合計値に「19.2」「0.6」と書かれているのはコンタクトの数などではなく、「貢献した割合」が表示されているということです。

コンタクト作成レポートの場合

単位は「人(コンタクト)」です。合計すると「1人」になりますが、小数点(0.5人分など)で表示されます。

収益レポートの場合

単位は「金額(円・ドル)」です。

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※「実在する人数」ではなく、複数コンバージョンを配分計算した結果の合計値が表示されます。

例えば、ある顧客が、こんな行動を行ったとします。

  • 検索してブログ記事を読む

  • 数日後、別の記事も読む

  • メールを受け取る

  • 資料をダウンロード

  • 問い合わせ

もし「配分」しなかったらどうなる?

パターンA:最後だけを評価する
  • 問い合わせフォーム:100点

  • 他:0点

→「じゃあ、ブログもメールもいらないのでは?」という極端な判断になりがち。

パターンB:最初だけを評価する
  • 最初のブログ:100点

  • 他:0点

→「フォームやメールは意味がないのでは?」という話になる。

だから「分けて考える」必要がある

アトリビューションは、

  • 誰か1人の手柄を決める

  • MVPを決める

ための仕組みではありません。「チーム全体で成果を作った」前提に立つため、配分をして成果を分析します。

アトリビューションモデル別の「使い分け」

HubSpotのアトリビューションレポートでは、どれが正しいかではなく、「何を知りたいか」で使い分ける必要があります。

※アトリビューションレポートでは「何を成果(ゴール)にするか」によって見え方が変わります。

ここでは説明をわかりやすくするため、フォーム送信や成約などをまとめて「コンバージョン」と表現しています。

初回インタラクション

どんなモデル?

顧客が「一番最初に接触した接点」だけに、成果の100%を割り当てるモデルです。その後の行動(メール開封や他ページの閲覧など)は一切カウントしません。

※他の行動が「記録されない」わけではなく、このレポート上では評価(配分)されない、という意味です。

何が分かる?

「認知」のきっかけ

顧客がどこから流入してきたか。

「集客力」の源泉

どのチャネルが新しい顧客を連れてくる力が強いのか。

向いている用途

新規顧客獲得(リード獲得)の分析

とにかく新しい層にリーチしたいとき

流入施策の評価

SEO、SNS、認知目的のバナー広告などのパフォーマンス計測

予算配分の検討

「どこに広告を出せば、まだ見ぬ顧客に出会えるか」を知りたいとき

注意点

「成約の決め手」は無視される

最後に背中を押したメールや、じっくり読んだ事例記事などの「育成(ナーチャリング)施策」は評価が0点になってしまいます

検討期間が長い商材には不向き

最初の接触から成約まで数ヶ月かかるBtoBビジネスでは、これだけで判断すると「間の努力」を見落とすリスクがあります

このモデルは、リレーに例えると「誰がバトンを運んできたか」を重視する、「第一走者だけを褒める」仕組みです。

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②最終インタラクション

どんなモデル?

コンバージョンの「直前の接点」だけに、成果の100%を割り当てるモデルです。それまでにどれだけ多くのページを見ていても、最後の一押しをした施策だけを評価します。

何が分かる?

「決断」の決め手

顧客が最後に「よし、申し込もう」と決めた直接のきっかけ。

刈り取り力

検討していた顧客を、確実にコンバージョンへ導く力が強い施策。

向いている用途

クロージング施策の評価

リターゲティング広告、直前のお得なダイレクトメール、決断を促すLP(ランディングページ)などの分析。

短期的な成果測定

「今すぐ客」をどれだけ獲得できたかを知りたいとき。

導線改善

コンバージョン直前の「最後のボタン」や「入力フォーム」のパフォーマンス確認。

注意点

「これまでの積み重ね」が無視される

どんなに時間をかけてブログや動画で信頼を築いてきても、それらの貢献度は0点になってしまいます。

中長期の戦略評価には不向き

ブランド認知や教育(ナーチャリング)の価値が見えなくなるため、この指標だけで判断すると「新しい顧客を呼び込む施策」を削ってしまうリスクがあります。

リレーに例えると「誰がゴールテープを切ったか」を重視する、「アンカーだけを褒める」仕組みです。
初回(第一走者)と最終(アンカー)、この両極端な2つを理解すると、「間の走者も評価したいよね」という「線形」や「U字型」の必要性がわかってくると思います。

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③ 線形

どんなモデル?

コンバージョンに至るまでに通過した「すべての接点」に、100%の成果を均等に割り当てるモデルです。
4つのステップを踏んだなら25%ずつ、5つなら20%ずつと、関わった全員に同じだけの手柄を分配します。

何が分かる?

チーム全体の貢献度

どの施策が、多かれ少なかれ顧客との接触に寄与しているか。

無駄な施策のあぶり出し
このモデルを使っても数値がほとんどつかない施策は、「少なくとも主要な導線にはなっていない可能性」が見えてきます。

向いている用途

マーケ全体の健康診断

特定の「当たり施策」だけでなく、全体がバランスよく機能しているか確認したいとき。

検討期間が長いビジネス

何度もサイトを訪れて検討を重ねるBtoB商材などで、すべての接触が信頼構築に役立っていると考える場合。

コンテンツマーケティングの評価

1つ1つの記事がジャブのように効いている状態を可視化したいとき。

注意点

「メリハリ」がつかない

たまたまクリックしただけの1ページと、1時間かけた商談が「同じ価値」になってしまいます。

ROI(投資対効果)の特定が難しい

どの施策が「決定打」だったのかが分からないため、予算をどこに集中させるべきかの判断には、他のモデルとの併用が必要です。

リレーに例えると「走った全員を同じだけ褒める」仕組みです。誰が欠けてもゴールできなかったと考え、「チーム全体の調子」を見るための視点と言えます。

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④ J形

どんなモデル?

コンバージョンに近づくほど評価を高くするモデルです。

HubSpotの設定では、一般的に「最終インタラクション(直前の接点)」に最も高い60%、最初に知ったきっかけ(初回)に20%、残りの20%を中間の接点に割り振ります。

※ここで示している割合はモデルの考え方を理解するためのイメージです。実際の配分ロジックはHubSpot側で定義されています。

何が分かる?

成約への納得感

顧客が最終的にどの施策で「決めた」のかを重視しつつ、最初と途中の流れも無視せずに把握できます。

クロージングへの加速

検討の後半戦で、どの施策が最も勢い(加速)をつけたのかが見えてきます。

向いている用途

営業に近いマーケ施策の評価

ホワイトペーパーのダウンロードや試用版への申し込みなど、成約に直結するアクションを重視したいとき。

直近のキャンペーン分析
過去の蓄積も大事だが、今まさに走らせているクロージング施策の効果をメインで測りたいとき。

注意点

「刈り取り施策」が強く見えすぎる

最終接点を60%と重く評価するため、リターゲティング広告などの「最後の一押し」が過大評価されがちです。

初期の努力が隠れがち

ブログ記事やSNSなど、地道にブランドを認知させてきた初期・中期の施策の貢献度が、数字上は小さく見えてしまいます。

リレーに例えると、「アンカーを最高に褒めつつ、第一走者と中間走者にも一応拍手を送る」という仕組みです。「終わり良ければすべて良し」に、少しだけプロセス評価を加えた視点と言えます。

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⑤逆J形

どんなモデル?

J型の反対で、「最初の接触(初回インタラクション)」に最も高い60%の重みを置き、最終接点に20%、残りの20%を中間の接点に割り振るモデルです。

※ここで示している割合はモデルの考え方を理解するためのイメージです。実際の配分ロジックはHubSpot側で定義されています。

何が分かる?

「第一印象」の正体

顧客を連れてくる「最強の入り口」はどこかが明確になります。

認知から興味への流れ
最初に何で興味を持ち、その後どう繋がっていったかの「起点」を重視して可視化できます。

向いている用途

ブランド認知施策の評価
「まずは知ってもらうこと」が最優先のフェーズや、新商品のローンチ初期。
集客チャネルの投資判断
広告やSEOなど、新しい顧客をサイトに呼び込むための施策にどれだけ価値があったかを見たいとき。

注意点

「クロージング施策」が過小評価される

最終的な購買決定に大きく貢献したはずの営業メールやデモ動画、フォームの改善などの効果が、数字上は小さく表示されてしまいます。

検討後半の分析が弱い

「知った後、何が決め手で顧客は動いたのか?」という、検討後半の重要な動きが見えにくくなります。

リレーに例えると、「第一走者を最高に褒めつつ、アンカーと中間走者にも一応拍手を送る」という仕組みです。「最初に出会った時のインパクト」を最もリスペクトする視点と言えます。

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⑥ U字型(BtoBで最もよく使われる)

どんなモデル?

「最初」と「最後」の両方を主役にするモデルです。

「初回インタラクション」に40%、「コンバージョン(リード作成)」に40%の手柄を割り振り、残りの20%をその間にあった中間の接点に分配します。

※ここで示している割合はモデルの考え方を理解するためのイメージです。実際の配分ロジックはHubSpot側で定義されています。

何が分かる?

「入り口」と「決め手」の両立

誰が連れてきて、誰がゴールを決めたのか、というビジネスにおいて最も重要な2つのポイントが同時に見えます。

「集客」と「刈り取り」のバランス

認知施策と獲得施策、どちらが欠けても成果が出ないという構造が可視化されます。

向いている用途

BtoBマーケティングの全体評価

リード獲得から育成までの流れを把握したいとき。

施策の役割分担の確認

「認知を取るための施策」と「リードに転換させるための施策」を平等に評価したいとき。

マーケティング部門の成果説明

広告(流入)とホワイトペーパー(転換)の両方の価値を証明したいとき。

注意点

「中間の施策」が影に隠れる

最初と最後に80%が割り振られるため、その間に何度も送ったメルマガや、地道に読ませたブログ記事などの「ナーチャリング(育成)施策」の貢献度は低く表示されてしまいます。

長期検討プロセスの一部しか見えない

成約まで数年かかるような場合、中間の長い検討期間の努力が過小評価される可能性があります。

リレーに例えると、「第一走者(リードを連れてきた人)」と「アンカー(ゴールを決めた人)」をダブルMVPとして称える仕組みです。「きっかけ」と「結果」の両方を大切にする、非常にバランスの取れた視点と言えます。

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⑦ 時間減衰

どんなモデル?

コンバージョンしたタイミングから「時間が近いものほど高く、遠いものほど低く」評価するモデルです。

「昨日見た広告」は高く評価し、「1ヶ月前に見たブログ」は、時間が経つにつれてその手柄を小さく見積もっていきます。

何が分かる?

「最後のひと押し」の強度

コンバージョンの直前に、何が顧客の熱量を高めてゴールに導いたのかが明確になります。

「鮮度の高い施策」の効果

記憶に新しい、直近の接触がどれほどコンバージョンに寄与したかを測れます。

向いている用途

検討期間が長い商材の「後半戦」分析

数ヶ月にわたる検討の末、最終的に何が決め手で動いたかを知りたいとき。

短期決戦のキャンペーン評価

期間限定のセールやイベントなど、直近の盛り上がりが成果に直結するケース。

リピート購入の分析

過去のイメージよりも「今のオファー」が効く場合に適しています。

注意点

「きっかけ」が軽視される

どんなに素晴らしいブログでブランドを知っても、時間が経てば経つほどその評価は「ほぼゼロ」に近づいてしまいます。

初期の接点を過小評価する

「そもそも、なぜうちのサイトに来てくれたのか?」という集客の功績(SEOや広告)が見えにくくなるため、長期的な集客戦略の評価には不向きです。

リレーに例えると、「ゴールに近づくにつれて、走った距離に応じてご褒美を増やす」という仕組みです。「熱が冷めないうちにゴールへ導いたのは誰か」という、勢いを重視する視点と言えます。

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迷ったらこの「3ステップ」で見てみよう!

アトリビューションモデルは、どれが正しいかではなく、「何を知りたいか」に合わせて切り替える道具です。まずは以下の3ステップでレポートを眺めてみてください。

「線形」で全体を俯瞰する

10記事読まれて成約したような「積み重ね」の貢献を可視化します。

「初回・最終」を比較する

集客に強いページと、最後の一押し(CV)に強いページの違いを明確にします。

「U字型」で構造を捉える

BtoBの基本である「入り口」と「出口」のセットで成果を把握します。

「今まで効果がないと思っていたブログが、実は最初のきっかけを作っていた」といった発見があるのがこのレポートの面白いところです。

例えば、PVは少なくても、線形モデルで見ると「実は多くの成約に絡んでいる重要な記事」が見つかるかもしれません。逆に、最終インタラクションと併せて見ることで、「成約の最後の一押し」に特化したキラーコンテンツを特定することもできます。

大事なのは、一つの数字に一喜一憂せず、複数のモデルを行き来しながら「自社の勝ちパターン」の仮説を立てることです。

まずはHubSpotで、デフォルトのレポートを1つ作成するところから始めてみましょう!

[アトリビューションレポート]の詳しい設定方法については、HubSpotのナレッジ記事をご覧ください。

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