セミナーレポート|ウェビナーの成果を最大化するHubSpot CRMの活用法

目次
本記事は2025年4月16日に開催されたウェビナー「ウェビナーの成果を最大化するHubSpot CRMの活用法」の内容をまとめたものです。近年注目されているウェビナーの成果を最大化するためにCRMを活用したマーケティング活動について解説しています。
近年あたらめて注目されている「ウェビナー」
近年、AIによるコンテンツ生成が増加し、コンテンツマーケティングの成果が出づらくなっているという背景があります。競合する記事が大量に生まれ有効なリードを見つけにくく、検索対策をベースにしたコンテンツ運用が難しくなっています。このような状況下でウェビナーが改めて注目されています。
ウェビナーのメリット
- リアルタイム性による高いエンゲージメント
- 臨場感と信頼感を伝える場として機能する
- 見込み顧客の情報獲得が容易
- コンテンツの再活用で資産化できる
- “今”に寄り添う情報提供が可能
しかし、ただウェビナーを実施するだけでは十分な成果を得ることは難しいという課題も存在します。
ウェビナーの課題
- ウェビナーごとの集客や満足度の評価にとどまってしまう
- 参加者全員をフォロー対象としてしまい効率が悪くなってしまう
- ウェビナー実施後のフォローまで手が回らない
これらの課題を解決し、成果を最大化するためには、ウェビナーの実施やコンテンツ作成といった部分最適の施策にとどまらず、マーケティング活動全体の戦略の中にウェビナーを組み込み、顧客の行動データや検討プロセスの流れをふまえた仕組みを構築する「全体設計」が非常に重要です。
成果最大化の鍵。ウェビナーデータと顧客の行動データの組み合わせ
全体設計において注目すべきポイントは「ウェビナー×行動データ」の組み合わせです。
ウェビナーで得られた情報だけで見込み度を評価するのではなく、これまで蓄積してきた他の情報(行動データ)と組み合わせて見込み度を予測することがマーケティングやセールスでより成果を出すための鍵となります。
CRM×ウェビナーデータの活用で顧客理解の判定基準をつくる
データ活用においてCRM(顧客関係管理ツール)の役割は非常に重要です。
CRMは受注後の顧客管理だけでなく、受注前の行動データの蓄積・活用にも対応しています。
たとえば以下のような情報を組み合わせて管理できます。
情報の組み合わせ例
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ウェビナーで取得できるデータ
(申込時の属性情報、参加有無、視聴時間、質問内容、アンケート回答など) -
CRM上の他のデータ
(Webサイトの閲覧履歴、問い合わせフォーム送信、過去の対応履歴など)
これらを統合することで、「どのような属性の顧客が、どのような情報に関心を持ち、どの段階で検討に入るのか」といった検討度合いや興味の深さを可視化できます。
つまり、顧客を理解するための判断軸(=スコアリングやセグメント基準)を作ることが可能になるのです。

データをCRMに蓄積し、マーケティング活動に活かす
こうして蓄積・分類されたデータはHubSpotのCRM/MAツールを活用することで以下のように活かされます。
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関心に応じたパーソナライズドメールの配信
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検討ステージに応じたステップメールの設計
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見込み度のスコアリング
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一定の基準に達したタイミングでの営業担当への通知
このようにCRMに基づく「顧客理解」と「適切なタイミングでの接点創出」が連動することで成果につながるマーケティング活動が実現できます。
企業事例
HubSpot CRMを土台としたウェビナー・マーケティング活動
事例企業の概要と課題
- 月に10回以上のウェビナー開催、月に15本のコラム更新、週に1回のメール配信など、活発なマーケティング活動を実施していた
- マーケティング活動にはMAツールを、営業活動にはSFAツールを使用していましたが、ツール間のデータ連携は行っていなかった
- ウェビナーの参加者や資料ダウンロード者、マーケティングメールのクリック者など、反応があったリード全てにインサイドセールスが架電するという、施策ごとの個別対応だった
- フォロー対象人数が多くリソースを消費するにも関わらず、成約率が低く、参加者にも煩わしさを感じさせてしまう状況
課題解決のために実施したこと
フォームの項目を最適化する
リード判定に使う情報をどこで取得するか再確認し、最適な項目設定を行いました。
各種ツールと企業情報データベースの連携でCRMの土台を作る
ウェビナーデータ、Webデータ、商談データなど、様々な場所に分散している顧客の反応に関する情報をCRMに統合する仕組みを構築しました。
リードの判定基準を策定し、見込み客の状況に合わせて情報配信をする
ウェビナーや他のデータ(行動、属性など)を組み合わせて顧客の状況を予測し、「どのような状況の人を営業に引き渡すか」「どのようにフォローするか」といったデータ判定フロー(基準)を策定し可視化しました。
付与したデータをもとにホットリード判定をし、インサイドセールスまたは営業に引き渡す
策定した判定基準に基づきホットリードを特定し、インサイドセールスや営業担当者に引き渡します。この際、単にデータだけでなく、サービス適合性や企業規模、予算、業種といった要素も考慮し、優先すべき対象を絞り込みました。
成果
営業やインサイドセールスに有効なリードを絞って渡すことができるようになった
問い合わせのあった対象に対して属性情報の付与やデータのクレンジングを行い、リストとして整理・管理することで、有効な顧客を抽出し優先的にアプローチできるようになりました。
HubSpotの活用により、営業担当がリードの詳細を確認しやすい画面設計や通知設定が整備され、タイミングよく対応できる環境が構築されました。
まとめ
ウェビナーの成果を最大化し、マーケティングやセールスに貢献するためには、ウェビナー単体を個別の施策として捉えるのではなくマーケティング活動全体の戦略の中に位置づけ、全体像を設計することが重要です。
特に、さまざまな施策(ウェビナーやコンテンツマーケティング)で得られる行動データやその他のデータをCRMに統合し、顧客の状況をより深く理解し、有効な施策につなげることがポイントとなります。
セミナー内でいただいたご質問への回答
リアルタイム性がウェビナーの有効性につながるというお話がありましたが、少人数による体験型のセミナーも有効でしょうか?
はい、有効です。
少人数の体験型セミナーは、参加者との距離が近く、双方向のコミュニケーションが取りやすいため、参加者一人ひとりの関心や課題に寄り添った対応が可能です。
その結果、濃い繋がりや信頼関係が生まれやすく、商談化・案件化につながるケースも少なくありません。
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